ラベル 筋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 筋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年10月20日日曜日

筋・腱・神経の損傷

5-3.筋の損傷

1.筋の形態と機能
・体重の40~45%
・水(75%)、蛋白質(20%)、少量のグリコーゲン、有機リン酸塩

2.筋損傷の概説
筋損傷に加わる力
急性
・一度の外力として損傷を引き起こす
亜急性
・損傷と認知できないような力が繰り返しあるいは継続して加わることで、突然症状が出る場合と徐々に症状が現れる場合がある
・筋の場合は疲労性あるいは筋力低下といった基礎的状態が関与することが多い

3.筋損傷の分類
A.筋の性状による分類
外傷性損傷
・正常な筋に外力が作用して発生
・急性と亜急性の組織損傷に大別される
病的状態
・進行性筋ジストロフィー、多発性筋炎、多発性神経炎、シャルコー・マリー・ツース病、
脊髄性小児麻痺、進行性骨化性筋炎、細菌感染など

B.筋損傷の程度による分類
I度
・筋繊維の断裂は認められない
・筋細胞の破壊などが見られるもの(筋が引き伸ばされた状態)
II度
・部分断裂損傷であり一般には肉離れと呼ばれ完全に断裂はしていないもの
・圧痛と腫脹が見られ局所に陥凹を確認できるものもある
III度
・完全断裂
・筋腹間に陥凹があり強い圧痛、断裂端は縮み腫瘤を形成

C.筋損傷の部位による分類
1.長軸での分類
a.筋の起始部
b.筋腹部
c.筋腱移行部
2.浅深での分類
a.筋膜
b.筋の浅層
c.筋の深層
d.他筋との付着部
3.筋間損傷と筋内損傷
a.筋線維束の間の結合組織の損傷で筋繊維そのものに損傷はない
b.筋繊維の断裂

D.外力働いた部位による分類
直達外力による損傷
打撲
介達外力による損傷
肉離れ

4.筋損傷の症状
陳旧例では硬結、腫瘤、陥凹の触知、伸長度の低下、筋力低下などが見られる

5.筋損傷の治癒機序
炎症期
・筋繊維の変性、壊死に引き続いて炎症細胞が浸潤し壊死組織を貪食する
・これに伴って血管新生が起こる
増殖期
・壊死細胞が除かれると衛星細胞が活性化され増殖し増殖期に入る
・衛星細胞は互いに融合し多角の筋管細胞が形成され新生筋繊維により置換される
成熟期
・成熟期に入り最終的に神経再支配が起こり再生が終了

6.筋損傷の予後
瘢痕組織による治癒
・瘢痕組織を残して治癒すると弾力性の異なった部分が筋の中にでき早期に筋が力を出し過ぎると再度筋損傷が起こる危険性がある
骨化性筋炎
・筋損傷時の血腫が原因となって発生


5-4腱の損傷
1.腱の構造と機能
・筋は腱へと移行して骨に付着し、腱は筋収縮による力を骨に伝える
・腱は強靭な結合組織で豊富な膠原線維からなり光沢のある白色を呈している
・腱は腱鞘という滑液包が細長くなってできた鞘に包まれる
※アキレス腱は腱鞘がなくその周囲をパラテノンで囲まれている
※腱鞘内の腱は血行に乏しいがパラテノンは血行に富む

2.腱損傷の概説
・一般に県の損傷は「断裂」と「炎症」に分けられる
・臨床的には30歳を超え加齢による腱の変性が関与するとされ発生することが多くなる
断裂
アキレス腱断裂、棘上筋腱断裂など
炎症
アキレス腱炎、ド・ケルバン病など

A.腱損傷に加わる力
急性
一度の外力として加わり損傷を引き起こす
亜急性
損傷と認知できないような力が繰り返し或いは継続して加わることで発生

B.腱損傷の程度による分類
I度
腱線維の断裂は認められない
II度
腱線維の部分断裂損傷
III度
完全断裂


5-5.神経の損傷
1.神経の構造と機能
A.末梢神経の構造
・神経線維には軸索の周囲に髄鞘を有する有髄神経線維と有しない無髄神経線維がある
・それらは基底膜と神経内膜に包まれこの集団が神経周膜により包まれ神経束となる
・神経束は結合組織とともに集合し神経上膜に包まれ神経管となる
※中心←  軸索 - 髄鞘 - 神経内膜 - 神経周膜 - 神経上膜  →外側

2.神経損傷の概説
A.末梢神経損傷に加わる力
急性
・切創による開放性損傷、直接的な外力、骨・関節損傷に合併する損傷や圧迫、
牽引力などが損傷を引き起こす
亜急性
・損傷と認知できないような力が繰り返し或いは継続的に加わることで症状が現れる

3.神経損傷の分類
A末梢神経損傷の程度による分類
外傷性神経損傷
正常な神経に外力が作用して発生
病的状態
中枢神経損傷によるもの(脳性マヒ、ポリオ)、筋萎縮性側索硬化症、
脊髄性進行性筋萎縮症

B.末梢神経損傷の程度による分類
サンダーランドの分類
1度
限局性の脱髄による伝道障害
2度
軸索のみ損傷
3度
軸索と神経内膜の損傷
4度
神経周膜も損傷
5度
神経上膜まで完全に損傷
セドンの分類
neurapraxia
一過性不動化
axonotmesis
軸索断裂
neurotmesis
神経断裂

C.外力の働いた部位による分類
直達外力による損傷
・切創による開放性損傷や、打撲、衝撃、墜落などの鈍性の直達外力によって損傷を生じるもの
介達外力による損傷
・損傷部から離れた部位に外力が加わるもの
 ⇛ 関節が正常な可動域を超える外力が強制される急性の関節損傷時に牽引力が加わる場合
 ⇛ 反復する関節運動時に元来の絞扼、圧迫されやすい部位で損傷が生じるものなどがある

D.外力の働き方による分類
牽引力による神経損傷
神経線維が牽引力により損傷するもの
圧迫力による神経損傷
打撲などの急性外力により損傷されるもの
持続的な牽引、圧迫、絞扼による神経損傷
・骨、関節損傷による形態変化により継続的に牽引力が加わり損傷されるもの
・ガングリオンなどのより圧迫されるもの
薬物注射による神経損傷
橈骨神経、坐骨神経などに発生する

4.神経損傷の症状
運動神経障害
マヒ、筋力低下、腱反射などの減弱又は低下が起こる
感覚神経障害
触覚、温度覚、痛覚などが傷害される
自律神経障害
発汗停止、血管障害、栄養障害

5.神経損傷の治癒機序
サンダーランド 1度
セドン neurapraxia
・軸索の連続性が温存されている限り機能は通常完全回復する
サンダーランド 2・3・4度
セドン axonotmesis
・軸索の連続性が絶たれ軸索変性を引き起こすが神経内膜症の連続性は保たれる
・中枢端からの再生軸索は神経内膜により形成される内在性のガイドラインに導かれ正しい末梢標的器官への再生が起こる
サンダーランド 5度
セドン neurotmesis
・神経幹の神経内膜鞘と結合組織の両成分が損傷されると確実に悪化する
・診療する軸索を導く組織構造物はなく、軸索の過誤支配が重要になってくる
※過誤支配 軸索同士が正しく繋がらない
※神経線維は約1mm/日で再生する


2013年10月6日日曜日

背側の筋

背側の筋
浅背筋
起始
停止
支配神経
作用
僧帽筋 上部
外後頭隆起
項靭帯
鎖骨外側1/3
副神経
頚神経叢
肩甲骨の挙上
僧帽筋 中部
第7頚椎
第1-3胸椎棘突起
肩峰
肩甲棘
肩甲骨挙上
上方回旋・内転
僧帽筋 下部
第4-12胸椎棘突起
肩甲棘
肩甲骨下制
上方回旋・内転
広背筋
腸骨稜
仙骨
第6胸椎-第5腰椎棘突起
10-12肋骨
上腕骨小結節稜
胸背神経
肩関節の内転・
内旋・水平伸展
※大胸筋と協力筋ではない
肩甲挙筋
第1-4頚椎
肩甲骨上角
肩甲背神経
肩甲骨挙上
小菱形筋
第6・7頚椎
肩甲骨内側縁
肩甲背神経
肩甲骨内転
下方回旋
大菱形筋
第1-4胸椎


深背筋 第1層
起始
停止
支配神経
作用
上後鋸筋
第5頚椎-
第1胸椎
第2肋骨-
第5肋骨
肋間神経
吸気の補助
下後鋸筋
第10胸椎-
第2腰椎
第9肋骨-
第12肋骨
呼気の補助


深背筋 第2層
起始
停止
支配神経
作用
頭板状筋
第4-7頚椎-
第1-5胸椎棘突起
乳様突起(側頭骨)
脊髄神経後枝
頭、脊柱の背屈・側屈
頚板状筋
第1-2頚椎横突起
脊柱起立筋
腸骨稜
腰椎
仙骨
側頭骨-
肋骨
横突棘筋
横突起から起こり棘突起に終わる筋の総称

※脊柱起立筋:外側から腸肋筋、最長筋、棘筋の順

2013年9月16日月曜日

胸部の筋

胸部の筋
浅胸筋
大胸筋
上肢の運動
小胸筋
鎖骨下筋
前鋸筋
深胸筋
外肋間筋
肋骨の運動(呼吸)
内肋間筋
肋下筋
胸横筋
肋骨挙筋
横隔膜
呼吸運動




・浅胸筋
起始
停止
支配神経
作用
大胸筋
鎖骨、胸骨、
肋軟骨、腹直筋鞘
上腕骨大結節稜
上部:内側胸筋神経
下部:外側胸筋神経
上腕の屈曲、内転、
内旋、呼吸補助
小胸筋
第2-5肋骨
烏口突起
肩甲骨の外転、下方回旋、
引き下げ、呼吸補助
鎖骨下筋
第1肋骨
鎖骨
鎖骨下筋神経
胸鎖関節の保護
(鎖骨の引き下げ)
前鋸筋
第1-9肋骨
肩甲骨内側縁
長胸神経
肩甲骨の外転、上方回旋
備考
・浅胸筋の支配神経は腕神経叢
・小胸筋、前鋸筋は拮抗筋


・深胸筋
起始
停止
支配神経
作用
外肋間筋
上位の肋骨
下位の肋骨
肋間神経
(胸神経の枝)
下位の肋骨を引き上げる(吸気)
内肋間筋
下位の肋骨を引き下げる(呼気)
肋下筋
内肋間筋の後ろ
1-2上位の肋骨
上位の肋骨を引き下げる(呼気)
胸横筋
胸骨の剣状突起
第2-6肋軟骨
肋骨を引き下げる(呼気)
肋骨挙筋
第7頚椎
第1-11胸椎
下位か
1つ下位の肋骨
第8頚神経
胸神経
(肋間神経?)
下位の肋骨を引き上げる(吸気)


・横隔膜
起始
停止
支配神経
作用
横隔膜
腰椎部
第1-4腰椎椎体
第12肋骨先端
腱中心
横隔神経
(頚神経叢の枝)
胸腔の拡張、収縮
肋骨部
第12肋軟骨内面
胸骨部
剣状突起後面の
腹直筋鞘
備考
大静脈孔
横隔神経、下大動脈
食道裂孔
食道、迷走神経
大動脈裂孔
胸管(リンパ管)、下行大動脈



頚部の筋

頸部の筋
浅頚筋
広頚筋
深頚筋
外側頚筋
胸鎖乳突筋
前頚筋
舌骨上筋群
舌骨下筋群
後頚筋
椎前筋群
斜角筋群


・浅頚筋
広頚筋
支配神経
顔面神経
起始停止
下顎下縁から鎖骨を超えて皮膚へ
作用
下唇、口角を下外方へ引く
前頚部皮膚の緊張
備考
皮筋


・深頚筋
外側頚筋
胸鎖乳突筋
支配神経
1.副神経(運動)
2.頚神経(知覚)
起始
胸骨、鎖骨
停止
乳様突起(側頭骨)
作用
1.片側で働くとオトガイを反対方向へ回旋
2.両側で働くと頭部の後屈(肩をすくめる)
3.頭部固定時で両側働くと頭部を前屈(背臥位で枕から頭を持ち上げる)


・前頚筋
舌骨上筋群


支配神経
筋の走行
顎二腹筋
前腹
下顎神経
下顎骨下縁 - 舌骨(筋滑車) - 乳様突起(側頭骨)
後腹
顔面神経
茎突舌骨筋
顔面神経
舌骨大角 - 茎状突起(側頭骨)
顎舌骨筋
下顎神経
舌骨体 - 顎舌骨筋腺(下顎骨)
オトガイ舌骨筋
舌下神経
舌骨体 - オトガイ棘(下顎骨)
作用
下顎の下制
嚥下時 舌骨挙上
備考
・支配神経は停止する骨で変わる


舌骨下筋群

支配神経
筋の走行
胸骨舌骨筋
頚神経叢
舌下神経
胸骨・鎖骨 - 舌骨体
肩甲舌骨筋
肩甲骨 - 頚動脈鞘
胸骨甲状筋
胸骨 - 甲状軟骨
甲状舌骨筋
甲状軟骨 - 舌骨大角
作用
上筋群と同時に働くと舌骨固定
舌骨下制


後頚筋群
椎前筋群

起始停止
神経支配
片側作用
両側作用
頭長筋
後頭骨 - 
頚椎横突起
頚神経叢の枝
頭部を同側に曲げる
頚部・頭部の前屈
頚長筋
頚神経叢
腕神経叢の枝
前頭直筋
第1・2頚神経の前枝
外側頭直筋
頭部を起立させる
斜角筋群

起始停止
神経支配
鎖骨固定時作用
肋骨非固定時作用
前斜角筋
頚椎横突起
- 第1肋骨
-
両側:頸部の前屈
片側:頚椎の傾斜
肋骨挙上(胸郭拡大)
呼吸筋補助
中斜角筋
-
後斜角筋
頚椎横突起
- 第2肋骨
-
斜角筋隙
・前斜角筋と中斜角筋の間隙
・鎖骨下動脈、腕神経叢を通す


頚部における三角
前頚三角
胸鎖乳突筋、正中線、下顎下縁
オトガイ三角
左右顎二腹筋前腹、舌骨

頸動脈三角
顎二腹筋後腹、胸鎖乳突筋、
総頚動脈
顎下三角
下顎下縁、顎二腹筋前腹・後腹、顎下腺

筋三角
胸鎖乳突筋、正中線、肩甲舌骨筋



頭部の筋

頭部の筋
浅頭筋(表情筋)
・皮膚に近い所に位置
・皮筋:顔面の骨から起こり皮膚で停止 ⇛ 皮膚を動かす ⇛ 表情をつくる
・顔面神経支配(第7脳神経)
深頭筋(咀嚼筋)
・骨に近い所に位置
・下顎骨の挙上、前後運動、咀嚼動作
・下顎神経支配(三叉神経(第5脳神経)の第3枝)


表情筋
後頭前頭筋
帽状腱膜を挟んで前後に前頭筋(額に横皺をつくる)と後頭筋がある
眼輪筋
目の周りに輪状に位置
皺眉筋
眉間に縦皺をつくる
鼻根筋


眉毛下制筋
眉を内下方に引く
鼻筋
鼻孔を拡げる
口輪筋
口の周りに輪状に位置し口を閉じる
上唇挙筋
上唇、口角を引き上げる
大頬骨筋
上唇、口角を引き上げる
小頬骨筋
鼻唇溝をつくる
口角挙筋
上唇、口角を引き上げる
笑筋
エクボをつくる
口角下制筋
への字口を作る
下唇下制筋
下唇を下方に引く
頬筋
頬を緊張させる


顔面神経麻痺
特徴
・顔面神経の障害により起こる表情筋のマヒ
・一般的に片側で起こる
原因
寒冷刺激、ストレス、ヘルペスウィルス感染、外傷など
症状
ベル麻痺
表情筋のマヒのみで痛みを伴わない
ハント症候群
耳の後ろで痛みを伴う(ウィルス感染)


咀嚼筋
起始
停止
支配神経
作用

側頭筋
側頭鱗
筋突起
下顎神経
(三叉神経の
第3枝)
下顎骨の挙上
後方移動
触診可
咬筋
頬骨弓
下顎骨外面
下顎骨の挙上
触診可
内側翼突筋
翼状突起
下顎骨内面
下顎骨の挙上
触診不可
外側翼突筋
翼状突起
下顎頚
前方移動
触診不可
備考
・外側翼突筋だけが下顎骨の挙上をしない