ラベル 頭 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 頭 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年11月10日日曜日

顔面・頭部の軟部組織損傷

軟部組織損傷
A.外傷性顎関節損傷(顎関節捻挫)
特徴
・スポーツ外傷、転倒、事故などを原因とする直達性、下顎部からの介達性に顎関節部に外力がは作用した場合に発生しやすい
・顎関節を構成する靭帯、関節包、関節円板の損傷で骨折は伴わない
症状
・腫脹、圧痛が著明
・疼痛のため関節運動制限
・関節円板の偏位を伴うと開口、閉口運動が障害される
治療法
・初期には冷湿布、経過に従い理学療法
・硬いものを食べないなどの比較的安静を指示
注意点
・捻挫ではX線像での特別な所見は見られないが下顎等の骨折を合併するものもあるので注意が必要
・高度の損傷症状を示す場合は、関節円板の挫滅、関節包の破綻、高度な関節腔内出血を想定するべき
・関節円板損傷などが想定されるときには口腔外科での観血治療を必要とする場合がある
・受けた外力が大きい場合は脳神経外科での受診を指示
予後
・10日程度の科料で軽快する場合がほとんど

B.頭部、顔面部打撲
特徴
・頭部及び顔面に種々の事象により直接打撃を受けて起こる
・頭部、顔面は血流が盛んで小動脈損傷による皮下出血量が多い
・出血の際は止血処置を施し感染症予防、開放創閉鎖の処置を行うため外科医に託す
・強大な外力であったことが想定される場合は脳神経外科の受診を指示


C.顎関節症
定義
・顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害ないし運動異常を主要症状とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、靭帯損傷、関節円板障害、そして変形性関節症などが含まれる
診断
・顎関節や咀嚼筋などの疼痛がある
・関節雑音がある
・関節症がいないし運動異常がある
上記の主要症状のうち少なくともひとつある場合とする
分類
顎関節症I型
咀嚼筋障害
顎関節症II型
関節包、靭帯障害
顎関節症III型
顎関節内障
顎関節症IV型
変形性顎関節症
顎関節症V型
精神的因子によるもの

1.顎関節症I型
概念・症状
・筋症状を主体とする
・咀嚼筋群の疼痛を認める。筋・筋膜の痛みの原因には咀嚼筋感の調和の乱れ、筋スパズムがあるといわれている
・ストレスによる影響も考えられ歯ぎしり、噛み締めなども一因とされている
診断
・咀嚼筋のみの圧痛を認め顎関節部の圧痛は認めない
・咬合不全、歯ぎしり、噛み締めの悪習慣の有無を調べる
・X線所見では顎関節の形態変化や異常を認めない
治療法
疼痛対策
鎮痛剤、筋弛緩剤の投与が医師から支持されることがある
理学療法
筋の手技療法
スプリント療法
咬合不全や咬合異常の場合に行う

2.顎関節症II型
概念・症状
・オトガイ部の強打、過度の開口などで起こる靭帯損傷、関節包損傷、関節円板挫滅、関節捻挫などの慢性外傷性病変
・圧痛、咬合、咀嚼時や顎関節運動時に疼痛を覚えるが顎関節雑音を伴わない場合が多い
診断
・X線、MRI、CT関節造影などを行い検査。一般には円板の転位や顎の異常所見はない
・関節鏡所見では滑膜のびらんや円板の微細な損傷を一分に認める
・開口障害を認めるが、強制的な開口は可能でIII型との鑑別になる
治療法
疼痛対策
非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)の投与とともに顎の安静を指示
スプリント療法
スタビライゼーション型スプリント
咬合挙上、下顎位の修正


3.顎関節症III型
概念・症状
・顎関節症では一番多い
・円板の前内方転位、円板変性穿孔、線維化などが見られる
・相反性クリック(IIIa型):円板の前方転位が復位するもの
開閉口時、下顎等が円板の後方肥厚部を通過する際に関節雑音が生じる
・クローズドロック(IIIb型):前方転位が復位しないもの
相反性クリックの前方転位が進行したもので開口時、円板の肥厚部を乗り越えられず開口障害を示しクリックを認めない
・主な原因は咬合異常が考えられる
診断
・X線、CT、関節内視鏡検査などを行い診断
治療法
・不快症状の除去に対してはクリック、顎関節痛、開口障害を目標に治療
・相反性クリックに対しては下顎前方復位型スプリントを装着
・クローズドロックに対しては整復、パンピング、ピボットスプリントの装着
・まずは保存療法をおこない効果が無い時は関節鏡視下手術、円板制服ないし円板置換を首都する関節内症手術を行う
※パンピング:関節腔へ局所麻酔剤や生食の注入と吸収を繰り返す方法

4.顎関節症IV型
概念・症状
・.軟骨破壊、骨増殖、下顎頭変形、円板穿孔など進行性の病変が主体
・主病変は下顎等に出現することが多いが関節窩に生じるものもある
・II型、III型の合併や相互に移行を繰り返すものがある
・原因は咬合異常による顎関節への外傷性因子、低位咬合などがあげられる
診断
・顎関節雑音(クレピタス)がみられ、徐々に開口障害の程度が増強
・X線で骨肥厚像、骨硬化像、下顎頭変形が見られる
治療法
・保存療法は根本的治療とはなり得ないが薬物療法、スプリント療法、理学療法を行う
・観血療法では下顎頭修正術、関節結節修正術が行われる

5.顎関節症V型
概念・症状
・心因性顎関節症とも言われ、精神心理的要因が主たるものである
・病態は顎関節部の違和感で主症状は咀嚼機関に見られる多種多様な不定愁訴である
治療法
・心理面からの治療が必要。抗不安薬の投与で改善すればV型が疑われる
※不定愁訴:原因がはっきりしない

顎関節脱臼

顎関節の脱臼

顎関節の機能解剖
・下顎骨の下顎頭と側頭骨の下顎窩との関節
・関節円板
・顎関節は外側靭帯、蝶下顎靭帯、茎突下顎靭帯により補強
・運動は主に咀嚼運動とともに左右の関節が共同で
 1.下顎体の上下運動
 2.下顎骨の前進と後退
 3.臼磨運動(側方への回旋運動)
上記の3種類の運動も行われる

下顎骨の解剖
・顔面下部を占める骨で下顎枝と下顎体からなる
・下顎枝は筋突起と関節突起からなる
・関節突起は下顎頭と下顎頚からなり下顎頭は側頭骨の下顎窩と顎関節をつくる
・下顎頚の内側面に翼突筋窩があり外側翼突筋が停止
・筋突起は下顎切痕を挟む関節突起の前方の突起で側頭筋が停止
・下顎角の外側面は咬筋粗面があり咬筋が停止し内側面は翼突筋粗面で内側翼突筋が停止

顎関節の運動
受動的な開口
(無意識の開口)
・関節円板と関節頭との間での骨頭回転運動のみ
能動的な開口
(意識的に口を大きく開ける)
・上記骨頭回転運動と関節窩と関節円板の間で関節円板が前方に滑る運動が同時に起こり前方に移動する

顎関節の筋肉・靭帯
起始
停止
神経
作用
咬筋
頬骨弓
咬筋粗面
下顎神経
(三叉神経第3枝)
下顎骨の挙上
側頭筋
側頭鱗
筋突起
下顎骨の挙上
下顎骨の後方移動
外側翼突筋
蝶形骨
(翼状突起)
下顎頚
下顎骨の前方移動
内側翼突筋
下顎骨の内面
下顎骨の挙上

脱臼
特徴
・顎関節は正常可動域内でも不全脱臼形を呈する
・関節包を破ること無く脱臼する
・女性に多い(女性のほうが関節窩が浅い)
・前方脱臼が多い
・習慣性脱臼や反復性脱臼になりやすい


分類
顎関節脱臼
前方脱臼
両側脱臼
片側脱臼
後方脱臼
側方脱臼

A.前方脱臼
発生機序
・極度の開口時(あくびなど)に関節頭が関節結節を超え前方に転位し
外側靭帯、咬筋、外側翼突筋により固定 ⇛ 両側脱臼が多い
・開口時の衝突、打撃などの下顎側方からの外力で発生 ⇛ 片側脱臼が多い
症状
両側
・開口不能になり唾液流出、咀嚼、会話不能
・下顎歯列は上顎歯列の前方に偏位
・耳の前方に陥凹した関節窩を触れ関節頭は陥凹した関節窩の前方に触知
・弾発性固定
・頬は扁平、関節窩は空虚
片側
・両側脱臼ほど著明ではない
・半開口で口の開閉はわずかに可能
・オトガイ部は健側に偏位
・患側の耳孔前方に陥凹を触知
整復法
口内法
・ヒポクラテス法
・ボルカース法
口外法

注意点
・整復への不安感を取り除き心身の緊張を解かせる(咀嚼筋の緊張緩和)
・口内法の場合は特に指の消毒、滅菌ガーゼの使用
・感染症予防の観点よりゴム手袋をつける事が望ましい
・鼻吸気、口呼気の指示(筋緊張の緩和)
・強引な整復は下顎骨折の原因となる
固定法・
後療法
・整復後は固定をし関節運動の制限をして安静時に理学療法を行う
・2週間程度は固い食べ物は避ける
・早期の固定除去、早期の開口運動 ⇛ 反復性脱臼のリスクが高まる

B.後方脱臼
特徴
・極めてまれ
発生機序
・開口時に前方から音外部に受けた強力な打撃(ボクシング等)により発生
症状
・下顎が後方に移動
・開口、咬合不能
・下顎等が側頭骨乳様突起鼓室部間、骨正外耳孔上などに転位
・下顎骨骨折、外耳道壁の骨折を合併することもある
整復法
・前方脱臼と同様に下顎骨を把持し前下方に十分に牽引し整復
合併症
・下顎骨骨折
・頭蓋底骨折、外耳道前壁の骨折
注意点
・上記合併症がある場合には専門医に緊急搬送


C.側方脱臼
特徴
・骨折の合併症として見られるもので単独脱臼は極めてまれ
症状
・下顎は後退
・前歯部が開口し咬合不能
・下顎運動障害を認める
・下顎頭は下顎窩外側法又は内側法に触知
・脱臼は触診及びX線で確認される


2013年10月20日日曜日

頭部・顔面の骨折

頭部・顔面の骨折

A.頭蓋骨骨折
分類
頭蓋冠骨折
・直達外力が多い
・亀裂骨折、陥没骨折(小児では陥凹骨折)
頭蓋底骨折
・介達外力が多い
・亀裂骨折
・前頭蓋底骨折、中頭蓋底骨折、後頭蓋底骨折に分類される
 →中頭蓋底骨折である側頭骨の錐体部骨折が頭蓋底骨折の大部分を占める
症状及び
注意点
・骨折部を中心とした血腫の形成、限局性圧痛、変形触知(陥没骨折)

前頭蓋底骨折
・black eye(眼窩周辺の皮下出血)
・髄液鼻漏
中頭蓋底骨折
・battle's徴候(耳介後部、乳様突起部の皮下出血斑)
・髄液耳漏
・耳出血

・脳神経の損傷症状を調べる必要がある(視神経、顔面神経、耳介神経など)
・小児の場合は頭部外傷の発生頻度が高い、また頭蓋骨が柔らかく陥凹骨折となるものが多い

頭蓋底骨折
・骨折固有症状の確認が困難な骨折
・出血による脳圧亢進や種々の脳損傷の合併症を考慮しなければならない
頭蓋冠骨折
・中硬膜動脈が走行する側頭部または頭頂部の骨折では急性硬膜外血腫に伴う意識障害や瞳孔不同(左右の瞳孔の開き具合が違う)が出現

・骨折のあるなしにかかわらず頭部外傷の場合は24~48時間の急激な変化(嘔吐、意識消失、大きないびき)に対する監視が必要
応急処置
・絶対安静
・移送する場合は頭部を高位にして毛布などで周囲を固定し頭部の動揺を防ぐ
・早急に専門医に委ねる
合併症
脳震盪
・頭部に衝撃を受けた直後に起こる一過性の神経機能麻痺
・一般的なものは数分で治る
脳挫傷
・頭部を強打して外傷を受けた際に頭蓋骨内部で脳が衝撃を受けて脳本体に損傷を生じる病態
急性硬膜外血腫
・硬膜と頭蓋骨との間に血腫が形成
・頭蓋骨骨折に合併し頭部外傷として極めて重症に分類される
・血腫生成まで時間がかかるため意識清明期(lucid interval)を伴う
・CTでは凸レンズ型の血腫が見られる
・治療は開頭血腫除去術
急性硬膜下血腫
・硬膜と脳の間に血腫が形成
・一般に受傷の部位と反対側に形成されることが多い
・受傷直後より意識障害を呈することも多々ある(目眩、嘔吐、悪心など)
・意識清明期は無い
・CTでは凹レンズ型(三日月型)の血腫
・治療は穿頭血腫除去術、開頭血腫除去術
・死亡率が高く、予後不良

B.眼窩底破裂骨折
眼窩の構成
・頬骨、上顎骨、涙骨、篩骨、前頭骨、口蓋骨、蝶形骨
・下縁は上顎骨で形成され比較的丈夫で骨折は起こしにくい
・眼窩底は骨の厚みが薄く外傷で眼球が受けた圧力で容易に骨折する
 ⇛ これらを眼窩底破裂骨折と言い眼窩内側と眼窩底に多い
発生機序
・ボールやパンチの眼球の直接打撃により受けた眼窩内の圧力の波及による
症状及び
注意点
・眼窩底破裂骨折では一般に患側の眼球が陥凹し眼窩内出血や浮腫による瞼の腫脹によって瞼裂が狭小化
・運動障害では眼球の上転障害が見られ、これに伴う複視や視野障害が見られる
・眼窩下神経領域の感覚障害により頬から上口唇に痺れを感じる
・診断には単純X線撮影、頭部CT、三次元CT、MRIによる画像診断が必要
応急処置
・この骨折が疑われる場合は頭蓋骨骨折として処置を行い早急に専門医に委ねる
合併症
・脳震盪
・脳挫傷
・眼窩下神経障害
・視神経障害

C.上顎骨骨折
特徴
・直達外力による骨折がほとんど
・上顎洞の影響で複雑骨折になりやすい
・Le Fort型のII型、III型では逆行性感染の危険性がある
分類
Le Fort型
I型
・顔面下部骨折によって下顎骨歯槽骨折をきたしたもので上顎が下後方に転位する
II型
・顔面中央部の陥凹と咬合不全を起こす
・鼻、篩骨骨折の合併で髄液漏が見られる
III型
・顔面上部打撲によって顔面と頭蓋との骨性連結が絶たれた状態で髄液漏が見られる
上顎骨矢状骨折
症状
・顔面部の損傷であり内出血が大きく腫脹が高度で顔貌が変化する
・II型、III型では骨片転位による顔貌の変化を認める
・ルフォール型では咀嚼障害や咬合不全が見られ言語障害、下顎運動障害を伴う
・上顎歯牙をつまんで動かすと骨片とともに可動性が見られ顎動揺を認める
・鼻、篩骨骨折を合併したII型、III型では髄液鼻漏を生じやすい
応急処置
・この骨折が疑われる場合は頭蓋骨折として処置を行い早急に専門医に委ねる必要がある
合併症
・脳震盪
・脳挫傷
・眼窩下神経障害
・視神経障害
・気道閉塞


D.頬骨および頬骨弓骨折
特徴
・殆どの場合、頬骨体部骨折は頬骨前頭縫合部、頬骨弓、上顎頬骨縫合部の3ヶ所の隣接骨との接合部に骨折が見られる
・頬骨弓単独骨折では多くの場合、骨折線が3ヶ所に見られV字型に陥没する
分類
頬骨体部骨折
頬骨弓単独骨折
症状
・損傷部の内出血により高度な腫脹と皮下出血斑を認める
・体部骨折での骨片転位は咬筋の牽引で内下方へ転位し顔貌の変化が見られる
・体部骨折では眼窩の拡大に伴い眼球が陥没、複視、視野狭窄も合併
・頬骨弓単独骨折では陥没した頬骨弓によって裏側にある側頭筋が圧迫され開口障害を伴う
・眼窩下神経損傷を合併したときは頬から上口唇に痺れ
診断上の注意点
・近隣の鼻骨、上顎骨、眼窩からの骨折線の波及があるので同時に診察
応急処置
・この骨折が疑われる場合は頭蓋骨骨折として処置を行い早急に専門医に委ねる
治療法
・転位の大きなものは観血療法
合併症
・脳震盪
・脳挫傷
・眼窩下神経障害
・視神経障害

E.鼻骨骨折・鼻軟骨骨折
発生頻度・分類
鞍鼻型
発生頻度 高
正面から外力を受けたもの
斜鼻型
発生頻度 低
やや斜め方向から外力を受けたもの
症状
・外見上、鼻稜部が湾曲又は平鼻となり醜形を呈する
・高度な腫脹及び圧痛が見られ、眼窩部に皮下出血斑が出現
・鼻出血はほぼ必発し鼻開が見られる
・受傷後、時間の経過と供の腫脹が増大し変形などの骨折症状が認めにくくなるので診断には十分注意する
治療法
・出来るだけ早期に鉗子か細めの丸塗り箸、または針金の8番線に滅菌したガーゼか綿花を巻いて鼻孔に挿入
・挿入物を利用し鼻孔の中から転位に応じた方向に持ち上げ矯正する、または挿入物をガイドとして外側から母指、示指で湾曲を矯正、鼻筋を整えて整復
・ガーゼや綿花でタンポンを作り鼻孔から挿入、整復位を保持
整復後の注意点
・患者自身に鼻部が受傷以前の形状に戻ったか確認させる
・眼窩部周辺の損傷なので耳鼻咽喉科、脳神経外科、眼科への受診を指示

F.下顎骨骨折
特徴
・下顎骨骨折は顔面骨折の中で発生頻度が高い骨折である
・体部骨折では開放性骨折が多く、下顎枝部骨折では閉鎖性骨折が多い
・20歳代の発生頻度が高く、10歳未満及び50歳以上の頻度は低い
・僅かな転位の残存でも咬合不全を残しやすい
分類
下顎骨骨体部骨折
正中部骨折
犬歯部骨折、オトガイ孔骨折
大臼歯部骨折
下顎角部骨折
下顎枝部骨折
関節突起部骨折
筋突起部骨折
発生頻度
・体部骨折が約6割強、下顎枝部骨折が4割弱
・下顎枝部骨折の中では関節突起に関わるものが殆どで発生頻度が一番高い
発生機序
・直達外力が多く、強打、激突などが原因
・歯を食いしばった状態では骨折を起こしにくい
・顎関節脱臼整復時に下顎枝部骨折を起こすことがある
症状
・咬合異常
・顔貌の変形
・開口障害、嚥下障害、唾液流出
・骨折の異常可動性と軋轢音、限局性圧痛
・骨折部真上歯肉部の出血、裂創などを伴う
治療法
・咬合不全を残さないことを主眼に治療
・上顎歯列・下顎歯列を銀線で締結(顎間固定)
・咬合不全があれば観血療法を行う
合併症
・顎関節脱臼
・歯列の転位による咀嚼障害(咬合不全)
・下歯槽神経の損傷によるオトガイ部皮膚の感覚障害、神経様痛覚
・気道閉塞
予後
・関節骨頭などの骨折が見過ごされると後日開口運動障害を残す


2013年9月16日月曜日

頭部の筋

頭部の筋
浅頭筋(表情筋)
・皮膚に近い所に位置
・皮筋:顔面の骨から起こり皮膚で停止 ⇛ 皮膚を動かす ⇛ 表情をつくる
・顔面神経支配(第7脳神経)
深頭筋(咀嚼筋)
・骨に近い所に位置
・下顎骨の挙上、前後運動、咀嚼動作
・下顎神経支配(三叉神経(第5脳神経)の第3枝)


表情筋
後頭前頭筋
帽状腱膜を挟んで前後に前頭筋(額に横皺をつくる)と後頭筋がある
眼輪筋
目の周りに輪状に位置
皺眉筋
眉間に縦皺をつくる
鼻根筋


眉毛下制筋
眉を内下方に引く
鼻筋
鼻孔を拡げる
口輪筋
口の周りに輪状に位置し口を閉じる
上唇挙筋
上唇、口角を引き上げる
大頬骨筋
上唇、口角を引き上げる
小頬骨筋
鼻唇溝をつくる
口角挙筋
上唇、口角を引き上げる
笑筋
エクボをつくる
口角下制筋
への字口を作る
下唇下制筋
下唇を下方に引く
頬筋
頬を緊張させる


顔面神経麻痺
特徴
・顔面神経の障害により起こる表情筋のマヒ
・一般的に片側で起こる
原因
寒冷刺激、ストレス、ヘルペスウィルス感染、外傷など
症状
ベル麻痺
表情筋のマヒのみで痛みを伴わない
ハント症候群
耳の後ろで痛みを伴う(ウィルス感染)


咀嚼筋
起始
停止
支配神経
作用

側頭筋
側頭鱗
筋突起
下顎神経
(三叉神経の
第3枝)
下顎骨の挙上
後方移動
触診可
咬筋
頬骨弓
下顎骨外面
下顎骨の挙上
触診可
内側翼突筋
翼状突起
下顎骨内面
下顎骨の挙上
触診不可
外側翼突筋
翼状突起
下顎頚
前方移動
触診不可
備考
・外側翼突筋だけが下顎骨の挙上をしない



2013年7月28日日曜日

顔面頭蓋

顔面頭蓋
下鼻甲介
2個
涙骨
2個
鼻骨
2個
鋤骨
1個
上顎骨
2個
口蓋骨
2個
頬骨
2個
下顎骨
1個
舌骨
1個


舌骨
舌骨下部の馬蹄形の骨
舌骨体
舌骨上・下筋群が付着
大角
茎突舌骨筋
小角
茎突舌骨靭帯
舌骨は他の骨と連結しない



下鼻甲介
上鼻甲介、中鼻甲介とは別の骨
鼻腔内の鼻道を分ける


涙骨
眼窩の前下内側にある長方形の骨


頬骨
側頭骨と頬骨弓をつくる星形の骨


鼻骨
鼻根部にある長方形の骨
直線縫合


鋤骨
鼻中隔の後下部をつくる




上顎骨



含気骨
骨鼻腔の側壁、眼窩下壁をなす
副鼻腔の床でもある
上顎洞
内部の大部分がこれになる
眼窩下孔
眼窩下神経
突起
前頭突起
鼻腔と眼窩を分ける
頬骨突起
頬骨と結合
口蓋突起
骨口蓋の2/3を占める
歯槽突起
歯槽(骨)と歯が釘植


口蓋骨
骨口蓋後1/3と鼻腔外壁後部水平板、垂直板からなる


下顎骨


関節突起
側頭骨と顎関節をつくる
下顎孔
下歯槽神経
下歯槽動・静脈
オトガイ孔
オトガイ神経
オトガイ動・静脈
※下顎孔、オトガイ孔は下顎管を通じて繋がっている
筋突起
側頭筋の停止
下顎角

外側
咬筋が停止
内側
内側翼突筋が停止


頭蓋冠
脳を入れる脳頭蓋上部
前頭骨、頭頂骨、後頭骨、側頭骨からなる
外面

前頭結節
前頭骨の骨発生の化骨点であった部位
頭頂結節
頭頂骨の骨発生の化骨点であった部位
内面

動脈溝
硬膜(中硬膜動脈)に分布する動脈が通る溝
クモ膜顆粒小窩
上矢状静脈洞の両側にあるクモ膜顆粒の入るくぼみ


頭蓋窩


頭蓋腔の底
前頭蓋窩、中頭蓋窩、後頭蓋窩からなる
前頭蓋窩
構成

前頭骨眼窩部、篩骨(篩板、鶏冠)、蝶形骨(小翼)

前頭葉
随意運動と運動性言語野
中頭蓋窩
構成
蝶形骨体(大翼)、側頭骨
正中部
間脳
感覚と運動の中継核
両側
側頭葉
感覚と感覚性言語野
後頭葉
視覚
後頭蓋窩
構成
後頭骨、側頭骨、蝶形骨
正中部
中脳、橋、延髄
反射に関与
両側
小脳
骨格筋の運動調整


頭蓋前面
眼窩
眼窩上孔
眼窩上神経外側の通路
前頭切痕(前頭孔)
眼窩上神経内側の通路
上眼窩裂
動眼神経III、眼神経V1、滑車神経IV、外転神経VI
上眼動脈
下眼窩裂
眼窩下神経V2、頬骨神経
下眼静脈
眼窩下溝
眼窩下孔に通じる
眼窩下神経、眼窩下動・静脈
鼻腔
副鼻腔の開口部
上鼻道
蝶形骨洞、篩骨洞後部
中鼻道
上顎洞、前頭洞、篩骨洞前部
下鼻道
鼻涙管



頭蓋泉門
大泉門
前頭、環状、矢状縫合の交差部
生後約36ヶ月で閉鎖
小泉門
矢状、ラムダ縫合の交差部
生後約3ヶ月で閉鎖
前側頭泉門
鱗状縫合頭頂骨、蝶形骨交差部
生後約6ヶ月で閉鎖
後側頭泉門
鱗状縫合、頭頂骨、側頭骨乳突部交差部
生後約18ヶ月で閉鎖
閉鎖の順番
小泉門 → 前側頭泉門 → 後側頭泉門 → 大泉門


顎関節


構成
側頭骨(下顎窩)、下顎骨(下顎頭)
関節の種類
楕円関節(顆状関節)
関節円板
外側靭帯
蝶下顎靭帯
下顎枝の裏に位置
茎突下顎靭帯
関節の動き
上下運動、前後運動、臼磨運動(回旋)