2013年12月1日日曜日

呼吸

呼吸

呼吸器の流れ
鼻腔
咽頭
喉頭
気管
気管支(2本)
細気管支
肺胞

構造
肺胞
空気と血液間でガス交換(拡散)を行う
・約3億個存在
肺門
気管支や血管などが出入りしている所
肺胸膜(臓側胸膜)
肺を覆う膜
側壁胸膜
肺胸膜が肺門で折り返して構成
胸膜腔
肺胸膜と側壁胸膜の隙間
周りの筋肉、骨により肺をふくらませる

換気
腹式呼吸
横隔膜の収縮・弛緩
吸息時:収縮
呼息時:弛緩
胸式呼吸
胸郭の運動(主に外肋間筋)による呼吸
吸息時:胸郭拡大(外肋間筋の収縮)
呼息時:胸郭縮小(外肋間筋の弛緩)

呼吸筋の働き
安静時吸息
横隔膜、外肋間筋の収縮
安静時呼息
横隔膜、外肋間筋の弛緩
努力性吸息
横隔膜、外肋間筋斜角筋、胸鎖乳突筋、大胸筋などの収縮
努力性呼息
内肋間筋、腹筋群の収縮

内圧
肺胞内圧
・吸息時:陰圧
・呼息時:陽圧
胸膜腔内圧
・常に陰圧
・空気の流れ:陽圧から陰圧へ

換気量
1回換気量
1回の安静時呼吸で出入りする空気量
450ml
予備吸気量
・安静時吸息のあとに更に吸い込める空気量

予備呼気量
・安静時呼息のあとに更に吐ける空気量

残気量
・最大限に息を吐き終わったあとに肺に残っている空気量
1200ml
機能的残気量
・安静時呼吸のあとに肺に残っている空気量
残気量 + 予備呼気量


肺活量
・最大限息を吸い込んだあとに肺から出せる空気量
予備吸気量 + 1回換気量 + 予備呼気量
閉塞性換気障害:肺活量は正常、1秒率は減少
高速性換気障害:肺活量は減少、1秒率は正常


死腔量
・肺胞以外の気管などに入ってる空気量
150ml
肺胞換気量
1回換気量 - 死腔量


コンプライアンス(肺の膨らみやすさ)
コンプライアンスが大きい
・肺が膨らみやすい
コンプライアンスが小さい
・肺が膨らみにくい
肺を潰す力
・肺胞の弾性繊維、表面張力
コンプライアンスに影響を与える因子
コンプライアンス増加
・気道抵抗の減少
・表面活性剤分泌による表面張力の減少
コンプライアンス減少
・気道抵抗の増加(鼻づまり等)
・表面張力の増加

ガス交換
・肺胞と毛細血管でのやりとり
・拡散(受動輸送)

ガス分圧
mmhg
酸素分圧
PO2
二酸化炭素分圧
(PCO2
吸気
150
0.2
肺胞
100
40
動脈血
97
40
静脈血
40
46
呼気
120
30
酸素分圧1位:吸気 2位:呼気
二酸化炭素分圧1位:静脈血

酸素解離曲線(酸素とヘモグロビンの結合度)
酸素分圧
酸素分圧が高い
・酸素が多いのでヘモグロビンと結合しやすい
酸素分圧が低い
・酸素が少ないのでヘモグロビンと結合しにくい
pH
pHが高い
・アルカローシスになると酸素と結合しやすい
pHが低い
・アシドーシスになると酸素と結合しにくい
・ボーア効果
温度
温度が高い
・酸素と結合しにくい
温度が低い
・酸素と結合しやすい
DPG
DPG が多い
・酸素と結合しにくい
DPG が少ない
・酸素と結合しやすい
二酸化炭素分圧
二酸化炭素分圧が高い
・酸素と結合しにくい
二酸化炭素分圧が低い
・酸素と結合しやすい
DPG:ヘモグロビンから酸素を解離させやすくする物質、運動時に増加

酸素解離曲線の移動
右下方へ移動する因子
pH ↓
・温度 ↑
DPG ↑
・二酸化炭素分圧 ↑
左上方へ移動する因子
pH ↑
・温度 ↓
DPG ↓
・二酸化炭素分圧 ↓

二酸化炭素の運搬
・重炭酸イオンの形(67%)
・カルバミノ化合物(25%)
・血漿や赤血球に溶ける(8%)


循環

循環

大循環と小循環
大循環
(体循環)
左心室
大動脈
全身
大静脈
右心房
小循環
(肺循環)
右心室
肺動脈
肺静脈
左心房

動脈と静脈
動脈
心臓から送り出されてる血管
大動脈
心臓から全身
肺動脈
心臓から肺
静脈
心臓へ戻っていく血管
大静脈
全身から心臓
肺静脈
肺から心臓

動脈血と静脈血
動脈血
酸素がたくさん含まれる血液
大動脈
肺静脈
静脈血
酸素が少ない血液
大静脈
肺動脈

心臓の構造
4つの部屋
右心房
左心房
右心室
左心室

4つの弁
右房室弁(三尖弁)
右心房、右心室間
肺動脈弁(半月弁)
右心室、肺動脈間
左房室弁(僧帽弁)
左心房、左心室間
大動脈弁(半月弁)
左心室、大動脈間
・弁の目的:血液の逆流を防ぐ
・心臓の前面から肺動脈弁、大動脈弁、右・左房室弁の順

心臓壁
3層構造)
心内膜
心筋
心外膜
心筋の厚さ:心房<心室、右心室<左心室

特殊心筋
(興奮を伝える筋)

※上から順番に伝わる
洞房結節(キースフラック結節)
右心房

房室結節(田原結節)
右心房

ヒス束
心室中隔

右脚・左脚
心室中隔

プルキンエ繊維
心室壁
固有心筋
(作業筋)
・興奮を受けて収縮する筋
・心筋間の結合:ギャップ結合
・ギャップ結合により心筋全体が同時に収縮

心臓の支配神経
二重神経支配
交感神経
心拍数増加、収縮力増強
アクティブ
副交感神経(迷走神経)
心拍数減少、収縮力減少
リラックス

心筋の性質
自動性
心筋自ら興奮し収縮する
・興奮の生成:洞房結節(ペースメーカー)
電気的性質
プラトー(絶対不応期)が長い
伝導性
・心房が収縮してから心室が収縮する
収縮性
全か無かの法則
刺激が一定以上であれば同じ強さで収縮する
不応期
プラトーが続いてる間、心筋細胞は刺激を与えられても収縮しない
階段現象
拍動停止の伸筋に刺激を反復して与えると次第に刺激が大きくなる
スターリングの法則
静脈還流量が増加すると心臓の拍出量も増える

心電図
誘導法
増高単極肢誘導

単極胸部誘導

標準肢誘導(双極誘導)
アイントーベンの法則
I誘導 右手→左手
II誘導 右手→左足
III誘導 左手→左足

P
心房の収縮開始
QRS
心室全体に興奮が広がる時間
T
心室の収縮終了(再分極)
RR間隔
心拍数が求められる
PQ間隔
房室間伝道興奮時間

心周期
房室弁
半月弁
充満期
・房室弁が開き心房から心室へ血液が流入
心室内圧<心房内圧
III発生
心房収縮期
・充満期で心室に入りきらなかった血液を心房の収縮で心室に送る
心室内圧<心房内圧
IV発生
等容性収縮期
・心室の収縮が始まり心室内圧が高まる
心房内圧<心室内圧<大動脈圧
I発生(房室弁の閉じる音)
駆出期
・血液が動脈へ流れる
大動脈圧<心室内圧
等容性弛緩期
・心室の弛緩
心房内圧<心室内圧
II発生(半月弁が閉じる音)

血管の名前
弾性血管
大動脈
太い動脈
・壁が厚く弾性に富む
血液を末梢に送る
抵抗血管
細動脈
・平滑筋の発達
血圧調節、血液流入量調節
交換血管
毛細血管
・平滑筋がない
総断面積が一番大きい
・血流速度が最も遅い
物質交換、ガス交換
容量血管
大静脈
静脈
血液の60-70%ぐらいが静脈に存在
静脈弁があり逆流を防ぐ
血圧が最も低く筋収縮を利用して心臓へ送る ⇛ 筋肉ポンプ

血圧
収縮期血圧 = 最高血圧
拡張期血圧 = 最低血圧
脈圧 = 最高血圧 - 最低血圧
平均血圧 = 最低血圧 + 脈圧 ÷ 3

血圧に関与する因子
増えると血圧上昇
・心拍出量
・血液の粘性
・血管の長さ
増えると血圧下降
・血管の直径
・血管壁の弾性

血圧測定法
触診法
・上腕にマンシェットを巻き撓骨動脈の脈拍をみる
最高血圧しか測定できない
聴診法
・上腕にマンシェットを巻き上腕動脈に聴診器を置く
・最高血圧、最低血圧の両方が測定できる

リンパ管
・毛細血管から漏れでた血漿を回収して心臓に戻すルート
がある

循環の調節
圧受容器による調節
頚動脈洞、大動脈弓に高圧受容器 ⇚ 血圧上昇で興奮
・新防壁、肺内に低圧受容器 ⇚ 血管内容量の増加で興奮
・受容器興奮で心臓の動きを抑制
化学受容器による調節
頚動脈(小)体、大動脈(小)体に酸素受容器
 ⇚ 酸素分圧の低下、二酸化炭素分圧の上昇で興奮
・受容器興奮で心臓の動きを促進
ホルモンによる調節
・カテコールアミン
・レニン・アンジオテンシン系
・バゾプレッシン
血圧上昇に働く(血管収縮)
・心房性ナトリウム利尿ペプチド
血圧低下に働く(血管拡張)
局所性による調節
・血圧の上昇 ⇛ 血管収縮
・血圧の下降 ⇛ 血管拡張
血流量が一定に保たれる
(ベイリス効果) ⇚ 細動脈の働き
・循環中枢:延髄に存在

局所循環
冠循環(心臓循環)
・心臓への栄養は左右の冠状動脈により行われる
脳循環
内頚動脈(90%)、椎骨動脈(10%)により脳へ供給される
・栄養源はグルコース(ブドウ糖)
皮膚循環
・皮膚からの熱放散で体温の調節
・血管収縮 ⇛ 体熱の放散を防ぐ
・血管拡張 ⇛ 体熱の放散を促す(動静脈吻合が開く)
動静脈吻合毛細血管を介さない動脈と静脈の吻合
 ⇚ 普段は閉じているが高温下で開き体温調節を行う


2013年11月24日日曜日

関節 一覧

脊柱
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
椎間関節
下関節突起(上位)
上関節突起(下位)
平面
椎間円板
前・後縦靭帯
黄色靭帯
棘間靱帯
項靱帯


頭蓋と脊柱
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
環椎後頭関節
後頭顆(後頭骨)
上関節面(頚椎)
楕円



環軸関節





正中環軸関節
前関節面
(軸椎 歯突起)
歯突起窩
(環椎 第1頚椎)
車軸
環椎横靭帯
外側環軸関節
上関節面(環椎)
下関節面(環椎)



肋骨と胸骨・胸椎
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
肋椎関節






肋骨頭関節
肋骨頭関節面
(肋骨)
横突肋骨窩
(胸椎)



肋横突関節
肋骨結節関節面
(肋骨結節)
横突肋骨窩
(胸椎)



胸肋関節
肋軟骨前端
肋骨切痕(胸骨)





頭蓋骨
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
顎関節
下顎頭
(下顎骨
 関節突起)
下顎窩
(側頭骨)
顆状
関節円板
外側靭帯
蝶下顎靭帯
茎突下顎靭帯


上肢
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
肩鎖関節
肩峰関節面(肩甲骨)
肩峰関節面(鎖骨)
平面
関節円板
肩鎖靭帯
烏口鎖骨靭帯
(円錐靱帯
菱形靭帯)

胸鎖関節
胸骨関節面
(鎖骨)
鎖骨切痕
(胸骨 胸骨柄)

(鞍)
関節円板
前胸鎖靭帯
後胸鎖靭帯
肋鎖靭帯
鎖骨間靭帯
肩関節
上腕骨頭
関節窩
(肩甲骨)
関節唇
烏口上腕靭帯
関節上腕靭帯
烏口肩峰靭帯
肘関節






腕尺関節
上腕骨滑車
滑車切痕
螺旋
(蝶番)

内側側副靭帯
外側側副靭帯
橈骨輪状靭帯
腕橈関節
上腕骨小頭
橈骨頭

上橈尺関節
関節環状面
(橈骨)
橈骨切痕
(尺骨)
車軸

下橈尺関節
関節環状面
(尺骨)
尺骨切痕
(橈骨)
車軸


橈骨手根関節
舟状骨
月状骨
三角骨
手根関節面
(橈骨)
楕円
関節円板

手根間関節
近位列手根骨相互間
遠位列手根骨相互間
(平面)

骨間手根靭帯
手根中央関節
近位列手根骨(豆状骨)除く
遠位列手根骨



手根中手関節
遠位列手根骨
第2-5中手骨底
平面


第1
手根中手関節
第1中手骨底
大菱形骨


中手指節関節
(MP)
中手骨頭
基節骨底
顆状


手の指節間関節
(遠位 DIP
近位 PIP)
第2-5基節骨頭
第2-5中節骨頭
第2-5中節骨底
第2-5末節骨底
蝶番

内側側副靭帯
外側側副靭帯
掌側靭帯


下肢
名称
関節頭
関節窩
形状
線維軟骨
靭帯
仙腸関節
耳状面(仙骨)
耳状面(腸骨)


股関節
大腿骨頭
寛骨臼
臼状
関節唇
腸骨大腿靭帯
恥骨大腿靭帯
大腿骨頭靭帯
膝関節
大腿骨
膝蓋骨
脛骨
顆状
関節半月
前十字靭帯
後十字靭帯
内側側副靭帯
外側側副靭帯
膝横靭帯
膝蓋靭帯
脛腓関節
腓骨頭関節面
(腓骨)
腓骨関節面
(脛骨)
平面

前腓骨頭靭帯
後腓骨頭靭帯
距腿関節
距骨滑車
下関節面(脛骨)
内果関節面(脛骨)
外果関節面(腓骨)
蝶番

内側(三角)靭帯
前距腓靭帯
後距腓靭帯
踵腓靭帯
足根間関節






距骨下関節
距骨
踵骨



距踵舟関節
距骨
踵骨
舟状骨



踵立方関節
踵骨
立方骨



楔舟関節
楔状骨
舟状骨



横足根関節
(ショパール関節)
近位足根骨
舟状骨、立方骨


二分靭帯
足根中足関節
(リスフラン関節)
楔状骨、立方骨
中足骨底



中足指節関節
(MP)
中足骨頭
基節骨底



足の
指節間関節
第2-5基節骨頭
第2-5中節骨頭
第2-5中節骨底
第2-5末節骨底





2013年11月10日日曜日

顔面・頭部の軟部組織損傷

軟部組織損傷
A.外傷性顎関節損傷(顎関節捻挫)
特徴
・スポーツ外傷、転倒、事故などを原因とする直達性、下顎部からの介達性に顎関節部に外力がは作用した場合に発生しやすい
・顎関節を構成する靭帯、関節包、関節円板の損傷で骨折は伴わない
症状
・腫脹、圧痛が著明
・疼痛のため関節運動制限
・関節円板の偏位を伴うと開口、閉口運動が障害される
治療法
・初期には冷湿布、経過に従い理学療法
・硬いものを食べないなどの比較的安静を指示
注意点
・捻挫ではX線像での特別な所見は見られないが下顎等の骨折を合併するものもあるので注意が必要
高度の損傷症状を示す場合は、関節円板の挫滅、関節包の破綻、高度な関節腔内出血を想定するべき
・関節円板損傷などが想定されるときには口腔外科での観血治療を必要とする場合がある
・受けた外力が大きい場合は脳神経外科での受診を指示
予後
10日程度の科料で軽快する場合がほとんど

B.頭部、顔面部打撲
特徴
・頭部及び顔面に種々の事象により直接打撃を受けて起こる
頭部、顔面は血流が盛んで小動脈損傷による皮下出血量が多い
・出血の際は止血処置を施し感染症予防、開放創閉鎖の処置を行うため外科医に託す
強大な外力であったことが想定される場合は脳神経外科の受診を指示


C.顎関節症
定義
・顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害ないし運動異常を主要症状とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、靭帯損傷、関節円板障害、そして変形性関節症などが含まれる
診断
・顎関節や咀嚼筋などの疼痛がある
・関節雑音がある
・関節症がいないし運動異常がある
上記の主要症状のうち少なくともひとつある場合とする
分類
顎関節症I
咀嚼筋障害
顎関節症II
関節包、靭帯障害
顎関節症III
顎関節内障
顎関節症IV
変形性顎関節症
顎関節症V
精神的因子によるもの

1.顎関節症I
概念・症状
筋症状を主体とする
咀嚼筋群の疼痛を認める。筋・筋膜の痛みの原因には咀嚼筋感の調和の乱れ、筋スパズムがあるといわれている
・ストレスによる影響も考えられ歯ぎしり、噛み締めなども一因とされている
診断
咀嚼筋のみの圧痛を認め顎関節部の圧痛は認めない
・咬合不全、歯ぎしり、噛み締めの悪習慣の有無を調べる
X線所見では顎関節の形態変化や異常を認めない
治療法
疼痛対策
鎮痛剤、筋弛緩剤の投与が医師から支持されることがある
理学療法
筋の手技療法
スプリント療法
咬合不全や咬合異常の場合に行う

2.顎関節症II
概念・症状
・オトガイ部の強打、過度の開口などで起こる靭帯損傷、関節包損傷、関節円板挫滅、関節捻挫などの慢性外傷性病変
圧痛、咬合、咀嚼時や顎関節運動時に疼痛を覚えるが顎関節雑音を伴わない場合が多い
診断
X線、MRICT関節造影などを行い検査。一般には円板の転位や顎の異常所見はない
・関節鏡所見では滑膜のびらんや円板の微細な損傷を一分に認める
・開口障害を認めるが、強制的な開口は可能でIII型との鑑別になる
治療法
疼痛対策
非ステロイド性抗炎症剤NSAIDs)の投与とともに顎の安静を指示
スプリント療法
スタビライゼーション型スプリント
咬合挙上、下顎位の修正


3.顎関節症III
概念・症状
顎関節症では一番多い
円板の前内方転位、円板変性穿孔、線維化などが見られる
相反性クリック(IIIa型)円板の前方転位が復位するもの
開閉口時、下顎等が円板の後方肥厚部を通過する際に関節雑音が生じる
クローズドロック(IIIb型)前方転位が復位しないもの
相反性クリックの前方転位が進行したもので開口時、円板の肥厚部を乗り越えられず開口障害を示しクリックを認めない
・主な原因は咬合異常が考えられる
診断
X線、CT、関節内視鏡検査などを行い診断
治療法
・不快症状の除去に対してはクリック、顎関節痛、開口障害を目標に治療
・相反性クリックに対しては下顎前方復位型スプリントを装着
・クローズドロックに対しては整復、パンピング、ピボットスプリントの装着
・まずは保存療法をおこない効果が無い時は関節鏡視下手術、円板制服ないし円板置換を首都する関節内症手術を行う
パンピング:関節腔へ局所麻酔剤や生食の注入と吸収を繰り返す方法

4.顎関節症IV
概念・症状
.軟骨破壊、骨増殖、下顎頭変形、円板穿孔など進行性の病変が主体
主病変は下顎等に出現することが多いが関節窩に生じるものもある
II型、III型の合併や相互に移行を繰り返すものがある
・原因は咬合異常による顎関節への外傷性因子、低位咬合などがあげられる
診断
顎関節雑音(クレピタス)がみられ、徐々に開口障害の程度が増強
X線で骨肥厚像、骨硬化像、下顎頭変形が見られる
治療法
・保存療法は根本的治療とはなり得ないが薬物療法、スプリント療法、理学療法を行う
・観血療法では下顎頭修正術、関節結節修正術が行われる

5.顎関節症V
概念・症状
心因性顎関節症とも言われ、精神心理的要因が主たるものである
・病態は顎関節部の違和感で主症状は咀嚼機関に見られる多種多様な不定愁訴である
治療法
心理面からの治療が必要。抗不安薬の投与で改善すればV型が疑われる
不定愁訴:原因がはっきりしない