2013年6月29日土曜日

脊柱

脊椎

分類

短骨
構成
頚椎
7
胸椎
12
腰椎
5
仙骨
1個 (仙椎:5個)
尾骨
1個 (尾椎:3-5個)


基本構造

椎体

椎間円板(線維性軟骨)で連結
椎弓
横突起
2
上関節突起
2
下関節突起
2
棘突起
1
椎間孔
上椎切痕
脊髄神経(抹消神経)が通る
下椎切痕


頚椎

特徴
7
・横突起で横突孔を作り椎骨動・静脈を通す
1頚椎(環椎)
椎体と棘突起を欠き輪状である
上・下椎切痕が無い
上関節窩があり環椎後頭関節を作る
(楕円関節)
環軸関節
歯突起を中心に回旋運動
・歯突起を固定する形で環椎横靭帯がある
2頚椎(軸椎)
環椎との関節のための歯突起がある
7頚椎(隆椎)
棘突起が長く触診しやすい


腰椎

特徴
5
椎体は椎骨中最大(荷重がかかるため)
肋骨突起、副突起、乳頭突起の存在
肋骨突起
肋骨が退化し腰椎に癒合したもの
副突起
腰椎後下方にある小隆起
本来の横突起
乳頭突起
副突起のさらに内側にある小隆起


胸椎

特徴
12
・基本構造に1番近い
・椎弓と横突起で肋骨と関節する ⇛ 肋骨窩の存在
肋骨窩

・基本的に1-12胸椎に存在
・形状は円形もしくは半円形
上・下肋骨窩
1-10胸椎に存在
1胸椎の上肋骨窩は独立した円形の肋骨窩(下肋骨窩は半円形)
・第10胸椎は上肋骨窩のみで半円形
・第1112胸椎は円形の肋骨窩が1つだけ存在
横突肋骨窩
1-10胸椎の横突起に存在(短い肋骨には不要な為)
関節の数
1-9胸椎
10
横突肋骨窩
2
上下肋骨窩
4
上下関節
4
10胸椎
8
横突肋骨窩
2
上肋骨窩
2
上下関節
4
1112胸椎
6
上下肋骨窩
2
上下関節
4

仙骨、尾骨

特徴
5個の椎骨(仙骨)が癒合
・仙骨孔、横線、仙骨稜、仙骨管の存在


前・後仙骨孔
・椎間孔の名残
前後面に各4対 計16
仙骨神経の前・後枝が通る
横線
5個の仙骨が癒合したため
正中仙骨稜
各仙椎の棘突起の名残(癒合)
耳状面
寛骨と関節(仙腸関節)
半関節


脊椎の湾曲

一次湾曲
・胸椎、仙骨が後湾
胎児期にはすでに存在
二次湾曲
・頚椎、腰椎は前湾
生後1歳半ぐらいから形成


胸郭

胸郭の構成
胸骨
1
肋骨
12
胸椎
12


胸骨

胸骨柄
頚切痕(関節なし)
肋骨窩の数4(第1肋骨、第2肋骨)
胸骨体
肋骨窩の数12(第27肋骨)
剣状突起
胸骨下部


1肋骨

肋骨頭
肋骨頚
肋骨体
肋骨結節
横突肋骨窩と関節
前斜角筋結節
近くを鎖骨下動・静脈が通る
腕神経叢


17肋骨(真肋
独立して肋軟骨にて胸骨と結合
810肋骨(仮肋
自分と一つ上の肋軟骨(硝子軟骨)と軟骨間結合する
1112肋骨(浮肋
自由端で終わる(肋軟骨がない)
812肋骨まで仮肋とする場合もある





消毒

消毒


消毒の分類

滅菌
全ての病原微生物を死滅させて除去(無菌状態)
殺菌
対象物に付着している微生物を死滅させる(概念)
消毒
人体に有害な病原微生物を死滅させ、感染症などの伝播を防止ex.日光、紫外線、薬剤...
防腐
微生物を直接殺さないで、その繁殖を抑えて腐敗を防止すること

消毒薬の効力に影響を与える三要素
 温度、薬剤の濃度、作用時間

消毒の種類と方法

理学的消毒法
日光消毒
主に日光に含まれる紫外線を利用した消毒法
紫外線消毒
紫外線の殺菌作用は強く広範囲な病室や研究室の消毒で使われる
焼却法
病原微生物に汚染された廃棄物を焼却する方法
乾熱滅菌法
感熱空気中で過熱することにより病原微生物を死滅させる方法
試験管や器具の消毒
160~170度
170~180度
180~190度
120分
60分
30分
低音消毒法
65度前後の温度で30分以上
牛乳やワインなどに対し結核菌、チフス菌、赤痢菌などを消毒
その他の
消毒法
煮沸法
100度で15分以上加熱  医療機器、金属製品
流通蒸気法
100度の蒸気の中に30~60分間接触させる
間欠法
80~100度熱水又は蒸気中で1回30分~60分間を3~6回の加熱
熱水消毒
80度10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を観戦可能な水準以下に死滅
高圧蒸気滅菌法
加圧した飽和水蒸気中で過熱する方法でもっとも確実な滅菌法
115度
121度
126度
133度
1.7気圧
2.0気圧
2.4気圧
3.0気圧
30分
20分
15分
5~10分
照射滅菌法
放射線照射法、高周波法
火炎滅菌法
器具の滅菌

消毒薬の殺菌範囲


一般細菌
緑膿菌
結核菌
真菌
芽胞
B型肝炎
グルタラール
次亜塩素酸ナトリウム
消毒用エタノール
ポビドンヨード
クレゾール石鹸
両性界面活性剤
第4級アンモニウム塩
クロルヘキシジン


環境
金属器具
非金属器具
手指皮膚
粘膜
排泄物
グルタラール
次亜塩素酸ナトリウム
消毒用エタノール
ポビドンヨード
両性界面活性剤
第4級アンモニウム塩
クロルヘキシジン


手指の消毒法

・石鹸と流水(温水の方が効果が高い)を用い30秒以上の手洗い
酒精綿(アルコールワッテ)の使用も可
アルコール濃度は80%が一番効果が出る

皮膚の消毒法

一般名
商品名
ポビドンヨード
イソジン
グルコン酸クロルヘキシジン
ヒビデン
塩化ベンザルコニウム
逆性石けん(陽イオン界面活性剤)
オスバン

予防接種部位の消毒はアルコールによる場合が多い

大腿の筋

大腿の筋

・伸筋群、内転筋群、屈筋群に分かれる

伸筋群(前面)


起始
停止
支配神経
作用
縫工筋
上前腸骨棘
脛骨粗面内側部
大腿神経
股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋
大腿四頭筋








大腿直筋
下前腸骨棘
膝蓋骨→膝蓋靱帯
脛骨粗面
大腿屈曲、下腿伸展
外側広筋
大腿骨粗線外側唇
膝関節伸展
中間広筋
大腿骨体前面
内側広筋
大腿骨粗線内側唇
膝関節筋
大腿骨下部前面
膝関節包
関節包を上方に

縫工筋
 大腿前面の最浅層に位置、二関節筋
大腿四頭筋
 4頭からなり二関節筋


内転筋(内側)

・直立位で大腿を近づけ直立位を維持するのに重要


起始
停止
支配神経
作用
恥骨筋
恥骨
大腿骨恥骨筋線
大腿神経
股関節屈曲、内転
長内転筋
恥骨体前面
大腿骨粗線内側唇
閉鎖神経
股関節内転
短内転筋
恥骨下枝前面
大内転筋
坐骨結節、坐骨枝
恥骨下枝前面
大腿骨粗線内側唇
大腿骨内側上顆
閉鎖神経
坐骨神経
薄筋
恥骨下枝前面
脛骨粗面の内側部
閉鎖神経
股関節内転、下腿屈曲、内旋
外閉鎖筋
閉鎖膜の外面
大腿骨転子窩
股関節外旋、内転

大内転筋
 二重支配神経
外閉鎖筋
 外旋6筋の1つ
大腿三角(スカルパ三角)
 鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋に囲まれた部位
 大腿動静脈、大腿神経が通る
鵞足
 縫工筋、半腱様筋、薄筋が脛骨内側部に停止する部位
 膝関節の内側強化


屈筋群(後面)

・ハムストリングとも呼ばれる


起始
停止
支配神経
作用
大腿二頭筋







長頭
坐骨結節
腓骨頭
坐骨神経(脛骨神経部)
股関節伸展
膝関節屈曲、外旋


短頭
大腿骨粗線外側唇
坐骨神経(総腓骨神経)
膝関節屈曲、外旋
半腱様筋
坐骨結節
脛骨粗面内側部
坐骨神経(脛骨神経部)
股関節伸展
膝関節屈曲、内旋
半膜様筋
坐骨結節
脛骨内側顆後面

大腿二頭筋
 長短頭2頭からなり外側ハムストリングスを形成
 膝窩外側で触知可能
 長頭は屈筋系に属し脛骨神経短頭は伸筋系に属し腓骨神経
半腱様筋、半膜様筋

 股関節の屈曲と膝関節の伸展は同時にしにくい

2013年6月23日日曜日

小児、高齢者骨折の特徴

小児、高齢者骨折の特徴


小児の年齢の分類
新生児期
0-28dまで
乳児期
-1y
幼児期
1y-6y (入学前)
学童期
6y-11y


1.小児骨折の特徴

骨膜は厚く強靭で血行が豊富
骨膜が温存され連続性を保つことが多く整復位保持に有利
骨膜性仮骨形成能が極めて旺盛(血行が豊富)で癒合機関も成人の2/3程度と短く骨癒合も良好で偽関節を生じることは少ない
骨膜性化骨:骨膜依存の骨の形成
内軟骨性仮骨:軟骨芽細胞からの骨の形成
骨は柔軟性に富んでいる
・小児の類骨は膠原線維を多く含み石灰化能は成人とほぼ同じだが石灰化密度はかなり少ない
成人のような粉砕骨折を生じることは少なく若木骨折や竹節状骨折を生じる
骨端成長軟骨板がが存在
4から成る
静止層、増殖層、肥大層、石灰化層
・この部分を骨折すると成長障害の可能性
・ソルターハリスの5型の分類
123型は予後良好、45型が予後不良(4型は関節内骨折)
骨のリモデリングが盛ん
成人よりリモデリングが盛んなため多少の転位が生じても自家矯正がおこる
(若年者ほど高い)
骨端に近い骨折や関節運動の方向に一致した転位ほど自家矯正が起こりやすい
自家矯正不可な骨折:捻転骨折、関節内骨折、粉砕骨折など
骨折の治癒過程で骨に
過成長が生じる
・主に長管骨骨幹部の骨折治癒機序に伴う充血(血腫により骨端成長軟骨板が刺激されて成長が促される
大腿骨骨幹部骨折に著明
診断上の特徴
・低年齢児は受傷原因や機序経過を把握しすることが困難
・訴述は保護者や木下車などにより行われるが混乱や虚偽の訴え(DV)もある
・骨端部骨折は骨折自体の診断も骨折線の正確な判断も困難な場合がある
治療上の特徴
保存療法が原則


2.高齢者骨折の特徴

好発部位
上腕骨外科頚骨折、橈骨遠位端部骨折、大腿骨頸部骨折、胸腰椎椎体圧迫骨折
・海綿質の多い部位であり65歳を過ぎると骨粗鬆症による変化が著しく緻密質も骨の薄い部分が外力に弱くなる
・バランス感覚が低下し転倒の機会が増える
治療上の特徴
基本的に局所に限定した簡単な固定をし出来るだけ早く離床させるよう努力する
解剖学的治癒固定を強固、かつ長期 ⇛ 関節拘縮、機能障害
機能的治癒:固定を軽く、かつ短期 ⇛ 変形

物質の移動

物質の移動方法
受動輸送
ATPを使わない物質の移動
拡散
濃い ⇛ 薄い
単純拡散
脂質二重層を通っての移動(小さい分子)
促通拡散
脂質二重層を通れず蛋白質の力を借りての移動
(アミノ酸など)
浸透
薄い ⇛ 濃い
・水の移動
膠質浸透圧:血管内の蛋白質が水を引き寄せる
ろ過
血管内 ⇛ 血管外
毛細血管圧の力で物質や血漿が押し出される
能動輸送
ATPを使った物質の移動
一次性能動輸送
薄い ⇛ 濃い
細胞膜の内外を主としてNa+K+H+Ca2+などのイオンをATPをつかい濃度勾配に逆らった移動をする
ナトリウムポンプ
3個のNa+を細胞内から細胞外へ放出し2個のK+を細胞外から細胞内へ移動させる
二次性能動輸送
ナトリウムポンプの働きによる濃度勾配が生じ細胞外にはNA+がおおく細胞内には少ない、Na+は拡散による力で細胞内に入りたがる、その力を利用したのが二次性能動輸送
共輸送
Na+と同じ方向に他の物質やイオンを輸送すること
グルコース、アミノ酸
これを通す蛋白質を共輸送体という
逆輸送
Na+と逆方向に他の物質やイオンを輸送すること(H+Ca2+
これを通す蛋白質を逆輸送体という
エンドサイトーシス
(食作用、飲作用)
細胞外の物質(蛋白質、バクテリアなど)を細胞膜を変化させ細胞内に取り込む
エクソサイトーシス(開口分泌)
細胞内の物質に細胞膜を変化させ細胞外へ放出


2013年6月22日土曜日

内寛骨筋、外寛骨筋

下肢の筋

下肢帯の筋


内寛骨筋



起始
停止
支配神経
作用
腸腰筋

腸骨筋
腸骨窩
小転子
大腿神経
腰神経叢
股関節の屈曲
下肢固定時は上半身前屈

大腰筋
腰椎の椎体、肋骨突起


筋裂孔
鼠径靭帯と寛骨の間にできる間隙
腸腰筋と大腿神経が通る
血管裂孔
・筋裂孔の内側部
大腿動・静脈が通る
・更に内側にリンパ節、リンパ管が通る大腿輪がある
・血管裂孔の3管を大腿管(大腿ヘルニア発生部位)という
大腿ヘルニアは経産婦に多い
鼡径管
・鼠径靭帯にそって下に向かう側腹筋の管
鼡径ヘルニア好発部位(男児に多い)







外寛骨筋

殿筋群ともいう
起始
停止
支配神経
作用
大殿筋
腸骨後面
仙骨、尾骨の後面
仙結節靭帯
大腿骨殿筋粗面
腸脛靭帯
下殿神経
股関節伸展
腸脛靭帯の緊張により膝関節の伸展(直立姿勢)
中殿筋
腸骨外側面
大転子
上殿神経
股関節外転
小殿筋
腸骨外側面
(中殿筋に覆われる)
大腿筋膜張筋
上前腸骨棘
腸脛靭帯→脛骨上端
股関節屈曲、外転
膝関節伸展
梨状筋
仙骨前面
大転子
仙骨神経叢
股関節外旋
内閉鎖筋
閉鎖膜の内面
転子窩
上双子筋
坐骨棘
下双子筋
坐骨結節
大腿方形筋
坐骨結節
転子間稜

大腿筋:
 股関節伸展の主力筋
中殿筋、小殿筋:
 歩行時、姿勢保持に特に重要(遊脚側の骨盤を挙上させ足を前に出す)
梨状筋:
 大坐骨孔(仙棘靭帯と仙結節靭帯で作る孔の上部の方)を通る
 大坐骨孔は梨状筋によって梨状筋上孔と梨状筋下孔に分けられる
  梨状筋上孔:上殿動・静脈、上殿神経
  梨状筋下孔:坐骨神経、下殿動・静脈、下殿神経、内陰部動・静脈、陰部神経が通る
大腿方形筋:
 外旋6筋上記5筋(梨状筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋)+外閉鎖筋



2013年6月16日日曜日

骨折の合併症

骨折の合併症

併発症:骨折と同時に起きる症状

関節損傷


関節構成組織の靭帯、関節軟骨、関節包、関節唇、滑液包などの損傷を合併すること
脱臼骨折
脱臼を伴う
関節内骨折
損傷部に関節面が含まれる
小児の成長障害
(橈骨手根関節の場合)一方の骨端軟骨の損傷 ⇛ 成長が止まる
 もう一方だけが成長 ⇛ 差が生じる
成人の変形性関節症
老化現象使いすぎで関節表面がすり減り痛みや運動障害を起こす
一次性変形関節症
老化現象のような原因なしに中年以降に発生するもの
二次性変形関節症
青年期も発症し骨折、脱臼などが治り切らない内に力が加わり発生
予後が悪い
正確な整復、適切な固定
筋、腱など軟部組織の損傷


骨折時に筋、腱、皮膚の損傷を合併していることが多い
筋、腱の損傷
安静や固定などの治療で後に問題を残すことは少ない
皮膚の損傷
骨折端による損傷があると開放骨折となり細菌感染のおそれがあり大きな問題を残す可能性が高い
クラッシュシンドローム
(挫滅症候群)
体の一部が長時間圧迫されその解放後に起こる症候
筋損傷 ⇛ 一部壊死 ⇛ 筋組織からカリウム、ミオグロビンなどが漏出 ⇛高カリウムでの急性心不全、ミオグロビンでの急性腎不全
内臓損傷
鎖骨骨折
肺損傷
肋骨骨折
肺、肝臓、脾臓、腎臓損傷
骨盤骨折
尿道、膀胱、直腸壁損傷
脳脊髄損傷
頭蓋骨骨折
脳損傷
脊椎損傷
脊髄損傷
血管損傷

受傷時の外力や骨折端の転位で血管の圧迫、挫滅、断裂などの損傷
四肢末梢部の循環障害骨片の阻血性壊死
末梢神経損傷


受傷時の外力や骨折端の転位によって圧迫、捻挫、断裂
などの損傷が発生
上肢の損傷
橈骨神経、尺骨神経、正中神経
下腿骨の損傷
腓骨神経


続発症:治療中に起きる症状

外傷性皮下気腫
空気が肺から皮下組織内に侵入したもの
肋骨骨折時に肺が損傷し胸壁の皮下に気腫が生じる
特徴:びまん性、扁平で柔らかく握雪音(捻髪音)を認める
脂肪塞栓症候群
・血管中の脂肪が脂肪滴となり或いは骨損傷部から流出した骨髄脂肪の小滴が血管内に入り込むもの
・大腿骨、骨盤骨損傷或いは多発骨折時に見られる
症状
受傷後13日間に起こり、発熱、頻脈が見られる
塞栓した場所で症状が違う
皮膚
点状出血版(前胸部、結膜)
肺塞栓
頻呼吸、呼吸困難、チアノーゼ
脳塞栓
頭痛、不安感、意識障害、嘔吐、痙攣
心塞栓
心悸亢進、血圧降下
仮骨の軟化及び再骨折
感染症、壊血病などの全身性疾患、蜂窩織炎、丹毒などの局所的疾患化骨が特発的に軟化吸収され再び異常可動性が出現
遷延治癒
骨折治癒に予測される期間を過ぎても骨癒合が見られないもの
骨癒合は停止していない ⇛ 偽関節ではない
グルトの骨癒合日数
下記参照
コンパートメント症候群
骨損傷、筋損傷、血管損傷などにより区画内の組織内圧が上昇循環不全が生じ機能障害をもたらすもの
前腕の屈側部、下腿部に多く見られる
症状
阻血症状(疼痛、感覚異常、蒼白、脈拍微弱)
対処法
区画内の減圧、循環の改善を図り筋、神経組織の壊死を防ぐ
進行が急激であれば観血療法(筋膜切開)が必要
長期臥床による続発症
年齢、既往歴との関係が強いが一般的には沈下性肺炎、褥瘡、深部静脈血栓症、筋萎縮、尿路感染症、認知症などがある


グルトの骨癒合日数

中手骨
2週間
上腕骨骨幹部
6週間
肋骨
3週間
脛骨
7週間
鎖骨
4週間
下腿両骨
8週間
前腕骨(橈骨、尺骨)
5週間
大腿骨骨幹部
8週間
腓骨
5週間
大腿骨頚部
12週間

後遺症:治療後も続く

過剰仮骨形成
症状
・過剰に化骨が形成され、その吸収が少ないか全く吸収されない場合
・関節付近の骨折は過剰仮骨形成の傾向が強い
 関節運動障害、神経障害(神経圧迫)、循環障害(血管圧迫)
原因
粉砕骨折
大血腫の存在
骨膜の広範な剥離
早期かつ過剰に行われた後療法
 全て大血腫の発生要因
偽関節
症状
骨折部の骨癒合機序が完全に停止したもの
骨折端の髄腔が閉鎖
骨癒合遷延から偽関節に移行する場合が多い
6ヶ月以上経過し異常可動性が明瞭な場合は偽関節と見なされる
偽関節 ⇛ オペ
原因
局所的原因
局所に働く外力(屈曲力、剪断力...)⇛固定不足
血行不良(栄養が行かない)
粉砕骨折による骨の欠損(小骨片が吸収されてしまう)
骨折端間に軟部組織
全身的原因
内分泌異常(糖尿病)
栄養障害
治療的原因
整復不良
固定不良
固定期間が短い
牽引療法の過度の牽引力
不適切な後療法
変形治癒
症状
骨折端が転位を残したまま骨癒合した状態
原因
不正確な整復
不適当な固定
骨萎縮
症状
骨の添加作用が止まる
原因
荷重の不足
交感神経障害(心因性因子)
ズデック骨萎縮
特徴
有痛性骨萎縮
骨損傷や四肢外傷後に起こりやすい
コーレス骨折後、踵骨骨折後によく見られる
症状
運動機能障害、疼痛、腫脹、関節拘縮
X線では骨の希薄化
阻血性骨壊死
原因
骨折で供給血管の損傷が起こり骨片への血行が遮断
好発部位
大腿骨頚部内側骨折、手の舟状骨骨折、距骨骨折な
関節運動障害
原因
長期の固定、関節内骨折、関節付近の骨損傷、過剰化骨、変形治癒など
関節強直
・関節の構成体の骨軟骨に原因があって
構成骨や関節面が癒着し関節可動域が制限されるもの
関節拘縮
・関節の構成体以外の関節包、靭帯、筋などの軟部組織が
萎縮、収縮し関節面の癒着はないが関節可動域が制限されるもの
外傷性骨化性筋炎

筋組織の骨化現象
症状
腫脹、疼痛、熱感、運動制限
特徴
・筋挫傷の後に起こりやすい
発生の病因はまだ不明だが血腫が引かない段階での
・無理な運動復帰が大きな要因
治療
保存療法
手術の場合は6-12ヶ月の経過観察が必要
 手術後に骨化が進む可能性も考慮するため
フォルクマン拘縮

外傷のために生じた前腕筋の阻血性循環障害
特徴
小児の上腕骨顆上骨折に最も多い
症状
・受傷後24時間以内に始まる
・疼痛、蒼白、脈動消失、感覚以上、麻痺
原因
骨片転位の未整復、過度の腫脹、包帯の過度の緊縛などによる
前腕屈筋群の血行障害
補足
・筋が線維化し短縮した不可逆性変化が起こると重度の後遺症を残し、
様々な処置を行なっても再び正常な機能を得ることは困難
一夜にして現れ一生治らないため徴候出現の際は固定をゆるめ
専門医に託す