小児、高齢者骨折の特徴
※小児の年齢の分類
新生児期
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0-28dまで
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乳児期
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-1y
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幼児期
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1y-6y
(入学前)
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学童期
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6y-11y
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1.小児骨折の特徴
骨膜は厚く強靭で血行が豊富
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・骨膜が温存され連続性を保つことが多く整復位保持に有利
・骨膜性仮骨形成能が極めて旺盛(血行が豊富)で癒合機関も成人の2/3程度と短く骨癒合も良好で偽関節を生じることは少ない
※骨膜性化骨:骨膜依存の骨の形成
※内軟骨性仮骨:軟骨芽細胞からの骨の形成
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骨は柔軟性に富んでいる
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・小児の類骨は膠原線維を多く含み石灰化能は成人とほぼ同じだが石灰化密度はかなり少ない
⇛成人のような粉砕骨折を生じることは少なく若木骨折や竹節状骨折を生じる
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骨端成長軟骨板がが存在
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・4層から成る
・静止層、増殖層、肥大層、石灰化層
・この部分を骨折すると成長障害の可能性
・ソルターハリスの5型の分類
⇛1、2、3型は予後良好、4、5型が予後不良(4型は関節内骨折)
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骨のリモデリングが盛ん
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・成人よりリモデリングが盛んなため多少の転位が生じても自家矯正がおこる
(若年者ほど高い)
・骨端に近い骨折や関節運動の方向に一致した転位ほど自家矯正が起こりやすい
※自家矯正不可な骨折:捻転骨折、関節内骨折、粉砕骨折など
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骨折の治癒過程で骨に
過成長が生じる
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・主に長管骨骨幹部の骨折治癒機序に伴う充血(血腫)により骨端成長軟骨板が刺激されて成長が促される
・大腿骨骨幹部骨折に著明
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診断上の特徴
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・低年齢児は受傷原因や機序経過を把握しすることが困難
・訴述は保護者や木下車などにより行われるが混乱や虚偽の訴え(DV)もある
・骨端部骨折は骨折自体の診断も骨折線の正確な判断も困難な場合がある
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治療上の特徴
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・保存療法が原則
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2.高齢者骨折の特徴
好発部位
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・上腕骨外科頚骨折、橈骨遠位端部骨折、大腿骨頸部骨折、胸腰椎椎体圧迫骨折
・海綿質の多い部位であり65歳を過ぎると骨粗鬆症による変化が著しく緻密質も骨の薄い部分が外力に弱くなる
・バランス感覚が低下し転倒の機会が増える
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治療上の特徴
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・基本的に局所に限定した簡単な固定をし出来るだけ早く離床させるよう努力する
・解剖学的治癒:固定を強固、かつ長期 ⇛ 関節拘縮、機能障害
・機能的治癒:固定を軽く、かつ短期 ⇛ 変形
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