肩甲骨骨折
特徴
発生頻度 比較的まれ
|
全骨折の1%
|
直達外力
|
|
40~60代に多い
|
筋肉の衰え、運動量の変化
|
肋骨骨折の合併
|
肺損傷(気胸、血胸)
|
肩甲骨に付着する筋肉
起始
|
停止
|
||
1
|
三角筋
|
肩峰、肩甲棘、鎖骨
|
三角筋粗面
|
2
|
肩甲舌骨筋
|
上縁
|
舌骨体 |
3
|
小胸筋
|
第2~5肋骨
|
烏口突起
|
4
|
烏口腕筋
|
烏口突起
|
上腕骨体
|
5
|
上腕二頭筋短頭
|
烏口突起
|
橈骨粗面、前腕筋膜
|
6
|
上腕二頭筋長頭
|
関節上結節
|
橈骨粗面、前腕筋膜
|
7
|
上腕三頭筋長頭
|
関節下結節
|
肘頭
|
8
|
肩甲下筋
|
肩甲下窩
|
小結節
|
9
|
前鋸筋
|
第1~9肋骨
|
内側縁
|
10
|
肩甲挙筋
|
第1~4頚椎横突起
|
上角
|
11
|
僧帽筋
|
外後頭隆起、項靱帯
全胸椎棘突起
|
肩甲棘、肩峰、鎖骨
|
12
|
棘上筋
|
棘上窩
|
大結節
|
13
|
棘下筋
|
棘下窩
|
大結節
|
14
|
小菱形筋
|
第6、7頚椎棘突起
|
内側縁上方
|
15
|
大菱形筋
|
第1~4胸椎棘突起
|
内側縁下方
|
16
|
小円筋
|
外側縁
|
大結節
|
17
|
大円筋
|
下角
|
小結節稜
|
1.骨体部骨折及び上・下角骨折
特徴 | 骨体部骨折 | 肩甲骨骨折の中では頻度が高い 横骨折が多い(骨体下部は非常に薄い) 転位が小さい(周りを筋で覆われているため) |
|
上角骨折 | 上内方転位(肩甲挙筋) | ||
下角骨折 | 前外上方転位(大円筋、前鋸筋) | ||
発生機序 | 直達外力 | ||
症状 | 下肢を内転位で保持(疼痛緩和肢位) 患部の限局性圧痛、皮下出血斑 深呼吸時の痛み 外転障害(腱板損傷の症状と似ている) |
||
治療法 | 転位なし又は 転位が小さい |
固定のみ(三角巾、絆創膏) | |
転位が大きい | オペ(観血療法)…ごくまれ オペは筋を開いたり骨が薄く固定をしづらかったり後遺症のリスクが高い |
||
合併症 | 肋骨骨折 血胸、気胸(①との合併症状) |
||
補足 | 腱板とは肩の回旋筋腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)のことローテーター・カフともいう |
2.関節窩骨折…骨折線が関節窩に入る
特徴 | 関節内骨折 |
骨癒合に時間がかかる 正確な整復が必要 |
発生機序 | 直達外力 | 後方からの外力 |
介達外力 | 肩からの外力により上腕骨と肩甲骨がぶつかる | |
症状 |
皮下出血と腫脹
|
|
上腕骨頭の内方移動
|
上腕骨頭がめり込み肩峰が目立つ様になる
|
|
肩関節脱臼時に合併
|
関節窩縁が損傷
|
|
治療法 |
固定肢位
|
肩外転60度~80度(期間は2ヶ月) |
3.外科頚、解剖頚骨折
特徴
|
解剖頚骨折…少ない
外科頚骨折…多い
|
|
症状
|
上肢挙上不能
| |
肩峰突出
肩峰下陥凹
肩の丸み(三角筋部)膨隆消失
|
骨片転位の症状
※肩関節の前方脱臼との鑑別が必要
|
|
治療法
|
肩部を後外上方に突き上げて固定
|
2ヶ月間
|
4.肩峰骨折
特徴
|
発生機序
|
直達外力…多い
|
||
介達外力…少ない
|
裂離骨折(三角筋による)
|
|||
転位は軽度
|
起始が広い(肩峰、肩甲棘、鎖骨)
|
|||
症状
|
限局性圧痛
呼吸時痛
腫脹
運動痛
|
|||
治療法
|
骨折部を圧迫整復
|
|||
上腕を突き上げて固定
|
三角筋の弛緩
|
5.烏口突起骨折
特徴
|
発生頻度
|
少ない
|
|
単独骨折
|
直達外力
|
||
肩関節の上方脱臼に合併
|
|||
症状
|
限局性圧痛
前腕回外、肘関節屈曲、肩関節内方挙上の同時動作時の疼痛
|
||
治療法
|
転位少
|
肩を内転、肘を屈曲固定
|
上腕二頭筋の弛緩
|
転位大
|
オペ
|
||
補足
|
烏口突起に付着する筋肉
烏口腕筋(外転)、上腕二頭筋短頭(肘屈曲、回外)、小胸筋
|
0 件のコメント:
コメントを投稿