2013年10月20日日曜日

上腕骨骨幹部骨折

2.骨幹部骨折

特徴
1.筋に囲まれているので骨癒合は良い
筋が多いと血行が多い
2.骨幹部の横骨折
 1/3部の横(斜)骨折
骨癒合は悪い(骨折端の面が狭い)
⇛ 偽関節
3.撓骨神経麻痺が多い
下垂手drop hand
分類
1.横骨折
2.粉砕骨折
直達外力
3.斜骨折
4.螺旋状骨折
介達外力
発生機序
1.直達外力
横骨折
骨幹部を強打
粉砕骨折
2.介達外力
a.転倒時に手掌又は肘をついた
自家筋力による骨折
斜骨折、螺旋状骨折
b.投球骨折、腕相撲骨折
螺旋状骨折
症状
1.変形
2.疼痛(自発痛、動揺痛、限局性圧痛)
3.腫脹
4.皮下出血斑
5.上肢の運動障害
6.異常可動性、軋轢音
転位
1.三角筋付着部より近位での骨折
近位骨片
内転転位
a.大胸筋 b.大円筋 c.広背筋
遠位骨片
外上方転位
a.三角巾 b.上腕二頭筋 c.上腕三頭筋 d.烏口腕筋
2.三角筋付着部より遠位での骨折
近位骨片
やや前外方転位
a.三角筋 b.大胸筋(前方)
遠位骨片
後上方転位
a.上腕二頭筋 b.上腕三頭筋
整復法
1.三角筋付着部より近位での骨折
2.三角筋付着部より遠位での骨折
1.1助手:肩外転位で固定
2.遠位骨片を末梢牽引
3-1.2助手:遠位骨片を外転
3-2.術者:遠位骨片を後内方に直圧
3-3.2助手が遠位骨片を内転
4-1.術者:遠位骨片を前方から直圧
4-2.2助手:遠位骨片を前方挙上
1.1助手:肩外転位で固定
2.2助手:遠位骨片を外転
3.術者:近位、遠位骨片を把持
4-1.2助手:末梢牽引
4-2.2助手:遠位骨片を内転
4-3.術者:遠位骨片を外下方に直圧
5-1.術者:近位骨片を前方から直圧
5-22助手:遠位骨片を前方挙上
固定法
範囲
肩関節~手関節
肢位
整復位での固定
三角筋より近位
肩関節0度~肩関節外転位
三角筋より遠位
肩関節外転70度、水平屈曲3045
肘関節90
前腕回内回外中間位
後療法
1.偽関節と遷延治癒に注意(横骨折)
撓骨神経麻痺(過剰仮骨)
2.初期:安静(固定)+冷湿布(冷却)
3.骨癒合
斜骨折:8W
横骨折:10W
4その後
等尺性収縮運動、温熱療法、手技療法、 サルミエントの機能的装具
サルミエントの機能的装具(ファンクショナルブレス)
・上腕骨のみの固定
・肩関節、肘関節の自動運動が可能
・筋萎縮と関節拘縮の予防
合併症
偽関節
横骨折なので骨折面が小さい
緻密質なので仮骨が出来づらい
・固定が困難(外転位固定が困難)
撓骨神経麻痺
一次損傷
・受傷時
下垂手
二次損傷
・整復時
・固定時
・治療中の仮骨の影響
※ワシャ ドウラク セザル(ワシ 尺、  橈 落(下垂)、  正 猿)
尺骨神経麻痺
鷲手
撓骨神経麻痺
下垂手
正中神経麻痺
猿手
予後
・短縮変形
・内反変形
機能障害 小さい
・偽関節
・撓骨神経麻痺
機能障害 大きい


0 件のコメント:

コメントを投稿