2013年7月21日日曜日

関節の損傷1

5-2関節の損傷(捻挫・脱臼)
解剖でやった所は略

II.関節構成組織
1.軟骨組織
・関節軟骨の平均の厚さは2mm-4mmで凹関節の辺縁、凸関節の中心付近が厚い
若年者では透き通った白色、高齢者では黄色が強くなる
血管、リンパ管、神経の分布はない
・細胞間基質は非常に弾力に富んでいる
a.軟骨細胞
4層(表層、移行層、放射状層、石灰化層)から構成される
放射状層と石灰化層との境界をtidemarkとよぶ
・成分割合:プロテオグリカン10-15%、コラーゲン10-15%、水分70-80
b.軟骨基質
・細胞間基質はプロテオグリカンとコラーゲンから出来ており両者とも軟骨細胞によって合成、分泌される
c.軟骨の栄養、代謝
・成人の軟骨組織には血管分布はなく軟骨細胞の栄養は滑液からの拡散、還流又は循環によって行われる
・軟骨に力が加わると細胞間基質より水が絞り出され、力が抜けると又元に戻るという性質がある
小児の関節は成人と異なり、滑液と骨髄の両者から栄養が供給される

2.関節包
・関節包は内外層からなる
 外層:骨膜の表層部に続く線維膜で、強い丈夫な層
 内層:疎な柔らかい層であり滑膜という

3.滑液(関節液)
滑膜から分泌される
・淡黄色、透明で粘性のある濃い液体
・正常な滑液量は0.1-3.5mlで関節の潤滑作用及び関節軟骨を栄養している
・滑液は粘液性のプロテオグリカンでヒアルロン酸を豊富に含んでいる

4.靭帯
関節を作る骨を互いに結び骨の結合を強め、関節の過度の運動を抑制
関節外靭帯と関節内靭帯がある
・靭帯は骨膜に連絡する部分でシャーピー線維となって骨膜を貫通して骨と付着している


5.関節円板、関節半月
・膠原線維の多い線維軟骨性の結合組織
円板は関節腔を完全に分け、半月は不完全に分けている
・運動の際に骨頭の誘導機能を持ち関節面の適合性を良くしていると考えられている
a.関節円板
・完全な板状をなし関節腔を二分する
 顎関節、胸鎖関節、下橈尺関節、橈骨手根関節
b.関節半月
・膝関節に存在し関節を安定させ衝撃を和らげるクッションの役割もある
・半月板は血行が無いと言われ自然治癒は無いとされていたが現在では半月板外側1/3は血行があり治癒する可能性がある

6.滑液包
・筋又は腱と骨との間にある結合組織性の嚢胞
・内面は滑膜に覆われ粘液様の滑液を入れる
・運動の際に組織間の摩擦を少なくする

7.関節唇

8.関節の血管、神経
関節への血行は関節包外側(滑膜)より関節の周囲血管によって供給される
・関節には感覚神経と自律神経の両方が分布
a.感覚神経 ⇛ 脳に伝わる
・感覚神経は関節包に豊富で位置覚、運動覚、特に捻じれや伸展に敏感
b.自律神経
・滑膜には自律神経のみ分布し、豊富な血流をうまくコントロールしている
・滑膜自体は痛みや刺激に対して鈍感

III.関節の潤滑
・関節軟骨は非常に摩擦の少ない潤滑作用を持ちその摩擦係数は0.001-0.01と低く正常な状態で摩擦は殆ど起こらないと考えられている



脳頭蓋

頭蓋骨


脳頭蓋

68
後頭骨
1
蝶形骨
1
側頭骨
2
頭頂骨
2
前頭骨
1
篩骨
1


後頭骨



扁平骨
大後頭孔
延髄、血管を通す
後頭顆(関節頭)
環椎(関節窩)と環椎後頭関節(楕円関節)を作る
外後頭隆起
僧帽筋が付着
舌下神経管
舌下神経を通す






蝶形骨




含気骨
小翼
前頭蓋窩を構成
大翼
中頭蓋窩を構成
正円孔、卵円孔、棘孔を作る
正円孔
上顎神経(三叉神経第2枝)
卵円孔
下顎神経(三叉神経第3枝)
棘孔
中硬膜動脈
上眼窩裂
大翼、小翼間の間隙
動眼神経、滑車神経、外転神経
眼神経(三叉神経第1枝)
視神経管
視神経
トルコ鞍
下垂体が入る
海綿体静脈洞に囲まれる
蝶形骨洞
副鼻腔
翼状突起
鼻腔の後外側を作る
外側翼突筋と内側翼突筋起始部


側頭骨


扁平骨(含気骨)
頭頂骨と鱗状縫合
頬骨突起
頬骨と結合し頬骨弓を作る
乳様突起
胸鎖乳突筋付着
乳突蜂巣
茎状突起
茎突舌骨筋付着
空気の流れ
外耳孔-外耳道-中耳-内耳-内耳孔
外耳孔
外耳を構成
中耳
鼓膜
外耳道と鼓室を隔てる薄膜
空気の振動を感知
鼓室
耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)をいれる
内耳(骨迷路)
骨半規管
U字状に走る3本の骨管
回転(角速度)を感知
前庭
鼓室のすぐ内側にある骨洞
2個の膜迷路を収める
重力や加速度を感知
蝸牛
かたつむりのカラに似た骨腔
3層構造をなし音波の周波数を検知
内耳孔
顔面神経、内耳神経
頚動脈管
内頚動脈
S状洞溝
S状静脈洞が通る


頭頂骨
扁平骨
頭蓋骨の上壁


前頭骨
扁平骨
眼窩上孔
眼科の上に位置する孔
眼窩上神経(眼神経の枝)
前頭洞
副鼻腔


篩骨
含気骨
篩板
横方向の板で鼻腔の天井
嗅神経を通す
上鼻甲介・中鼻甲介
鼻道を分けている突起
下鼻甲介は篩骨には含まれない
垂直板
鼻中隔(鼻腔の左右を分割する壁)の上部を形成
篩骨洞
篩骨の含気孔
副鼻腔の一部
左右に多数あり前中後部に分けられる



2013年7月14日日曜日

下腿の筋

下腿の筋
・前面の伸筋群、後面の屈筋群に分かれる。特に伸筋群の外側の2つの筋は腓骨筋群という

伸筋群(前面)
起始
停止
支配神経
作用
前脛骨筋
脛骨外側面
下腿骨間膜
内側楔状骨
第1中足骨底面
深腓骨神経
足を背屈かつ内反
長母指伸筋
腓骨体前面下部
下腿骨間膜
速配の母指末節骨底
母指の伸展
足の背屈
長指伸筋
腓骨体前面
脛骨外側顆
下腿骨間膜
子指の指背腱膜に移行し中節骨と末節骨に終わる
子指の伸展
足の背屈
第3腓骨筋
長指伸筋の分束
足背の第5中足骨底
足の外反、背屈

腓骨筋群(前面外側)
起始
停止
支配神経
作用
長腓骨筋
腓骨頭
腓骨体上部外側面
内側楔状骨
第1、2中足骨底
浅腓骨神経
足を外反かつ底屈
短腓骨筋
腓骨体下部外側面
第5中足骨底


屈筋群(後面)
起始
停止
支配神経
作用
浅層
下腿三頭筋

脛骨神経

腓腹筋

内側頭
大腿骨内側上顆
踵骨腱(アキレス腱)→踵骨隆起
足の底屈
外側頭
大腿骨外側上顆
ヒラメ筋
腓骨頭
ヒラメ筋線(脛骨)
足底筋
大腿骨外側上顆
踵骨腱の内側縁に癒合
下腿三頭筋の働きを助ける
膝窩筋
大腿骨外側上顆
脛骨上部後面
膝関節屈曲
脛骨の内旋
深層
後脛骨筋
下腿骨間膜後面
舟状骨、全楔状骨、立方骨、第2、3中足骨底


足を底屈かつ内反
長指屈筋
脛骨中央後面
子指末節骨底
子指の屈曲
足の底屈、内反
長母指屈筋
腓骨体下部後面
母指末節骨底
母指の屈曲
足の底屈、内反
下腿三頭筋
 浅層の腓腹筋深層のヒラメ筋からなる
 ヒラメ筋と腓腹筋で踵骨腱(アキレス腱)を作る
 下腿三頭筋が拘縮し筋が短縮して足が底屈位に固定されることを尖足という
 逆に麻痺により底屈が出来ず背屈位に固定されることを踵足という


上腕骨近位端部骨折1

上腕骨骨折
1近位端部骨折
2.骨幹部骨折
3.遠位端部骨折

1.上腕骨近位端部骨折
特徴
結節上骨折結節下骨折に分類

主に介達外力で発生
転倒時に手をつくなど
少年期と高齢者に多発
骨が弱い(未発達、脆い)
青壮年は肩の脱臼になる
青壮年は直達外力で起こる
低頻度
分類
結節上骨折
(関節内骨折)
骨頭骨折

解剖頚骨折

結節下骨折
(関節外骨折)
外科頚骨折
高頻度
大結節単独骨折

小結節単独骨折

結節部貫通骨折

骨端線離開
小児にしか起こらない

a.上腕骨骨頭骨折
特徴
1.単独骨折は稀
2.関節内骨折
発生機序
肩を強打:直達外力、介達外力
症状
1.打撲、捻挫と誤診しやすい
2.関節内血腫
3.機能障害(肩の運動障害):疼痛、内出血、とくに骨片
4.腫脹が少ない:関節内骨折<関節外骨折
5.激しい疼痛:自発痛、限局性圧痛、とくに運動痛
6.軋轢音:肩甲骨に押し付けると聞こえることもある
7.骨折部の触知:可能なこともある
整復、固定法
1.転位なし:固定のみ
 敬礼位:肩関節外転7080度、水平屈曲3040
2.転位大:オペ
後療法
1.固定中に等尺性収縮運動(関節が動かない運動 ※力み動作)
2.34W 後に自動運動(自分の出来る範囲での運動)
3.関節拘縮に注意
 ※拘縮:軟部組織が原因、強直:骨の癒合(リウマチ)
予後
1.骨癒合が遅い(関節内骨折の為)
2.近位骨片の二次的な阻血性骨壊死
3.外傷性関節症関節損傷およびその後遺症
4.関節拘縮(高齢者)
※等尺性収縮運動 ⇔ 等張性収縮運動(通常の運動)
※自動運動 ⇔ 他動運動


b.解剖頚骨折
特徴
1.関節内骨折
2.高齢者に多い
発生機序
肩を強打:直達外力、介達外力
症状
1.変形が少ない:関節内骨折のため
 ※噛合骨折の場合はわずかに転位し短縮する
2.関節内血腫(多い):皮膚表面には見えない
3.肩の運動障害:噛合骨折の場合は動かせる事もある
4.軋轢音:関節内のため音は小さい
 ※噛合骨折の場合は無い
5.自発痛、限局性圧痛
整復法
1.転位なし整復不要
 ※噛合骨折の場合も整復不要、整復を行うと転位の危険性
2.転位あり整復
 a.下方に牽引
 b.患部を直圧
固定法
肩外転7080
水平屈曲3040度の敬礼位
ギプス固定
後療法
1.固定中に等尺性収縮運動
2.34w後に自動運動
3.68wで骨癒合
4.全治4m以上(関節内骨折の為治りづらい)
予後
1.噛合骨折は予後良好
2.高齢者は骨癒合が遅い
 固定の長期化→関節拘縮
3.後遺症
 骨頭壊死、外傷性関節症


2013年6月29日土曜日

脊柱

脊椎

分類

短骨
構成
頚椎
7
胸椎
12
腰椎
5
仙骨
1個 (仙椎:5個)
尾骨
1個 (尾椎:3-5個)


基本構造

椎体

椎間円板(線維性軟骨)で連結
椎弓
横突起
2
上関節突起
2
下関節突起
2
棘突起
1
椎間孔
上椎切痕
脊髄神経(抹消神経)が通る
下椎切痕


頚椎

特徴
7
・横突起で横突孔を作り椎骨動・静脈を通す
1頚椎(環椎)
椎体と棘突起を欠き輪状である
上・下椎切痕が無い
上関節窩があり環椎後頭関節を作る
(楕円関節)
環軸関節
歯突起を中心に回旋運動
・歯突起を固定する形で環椎横靭帯がある
2頚椎(軸椎)
環椎との関節のための歯突起がある
7頚椎(隆椎)
棘突起が長く触診しやすい


腰椎

特徴
5
椎体は椎骨中最大(荷重がかかるため)
肋骨突起、副突起、乳頭突起の存在
肋骨突起
肋骨が退化し腰椎に癒合したもの
副突起
腰椎後下方にある小隆起
本来の横突起
乳頭突起
副突起のさらに内側にある小隆起


胸椎

特徴
12
・基本構造に1番近い
・椎弓と横突起で肋骨と関節する ⇛ 肋骨窩の存在
肋骨窩

・基本的に1-12胸椎に存在
・形状は円形もしくは半円形
上・下肋骨窩
1-10胸椎に存在
1胸椎の上肋骨窩は独立した円形の肋骨窩(下肋骨窩は半円形)
・第10胸椎は上肋骨窩のみで半円形
・第1112胸椎は円形の肋骨窩が1つだけ存在
横突肋骨窩
1-10胸椎の横突起に存在(短い肋骨には不要な為)
関節の数
1-9胸椎
10
横突肋骨窩
2
上下肋骨窩
4
上下関節
4
10胸椎
8
横突肋骨窩
2
上肋骨窩
2
上下関節
4
1112胸椎
6
上下肋骨窩
2
上下関節
4

仙骨、尾骨

特徴
5個の椎骨(仙骨)が癒合
・仙骨孔、横線、仙骨稜、仙骨管の存在


前・後仙骨孔
・椎間孔の名残
前後面に各4対 計16
仙骨神経の前・後枝が通る
横線
5個の仙骨が癒合したため
正中仙骨稜
各仙椎の棘突起の名残(癒合)
耳状面
寛骨と関節(仙腸関節)
半関節


脊椎の湾曲

一次湾曲
・胸椎、仙骨が後湾
胎児期にはすでに存在
二次湾曲
・頚椎、腰椎は前湾
生後1歳半ぐらいから形成


胸郭

胸郭の構成
胸骨
1
肋骨
12
胸椎
12


胸骨

胸骨柄
頚切痕(関節なし)
肋骨窩の数4(第1肋骨、第2肋骨)
胸骨体
肋骨窩の数12(第27肋骨)
剣状突起
胸骨下部


1肋骨

肋骨頭
肋骨頚
肋骨体
肋骨結節
横突肋骨窩と関節
前斜角筋結節
近くを鎖骨下動・静脈が通る
腕神経叢


17肋骨(真肋
独立して肋軟骨にて胸骨と結合
810肋骨(仮肋
自分と一つ上の肋軟骨(硝子軟骨)と軟骨間結合する
1112肋骨(浮肋
自由端で終わる(肋軟骨がない)
812肋骨まで仮肋とする場合もある





消毒

消毒


消毒の分類

滅菌
全ての病原微生物を死滅させて除去(無菌状態)
殺菌
対象物に付着している微生物を死滅させる(概念)
消毒
人体に有害な病原微生物を死滅させ、感染症などの伝播を防止ex.日光、紫外線、薬剤...
防腐
微生物を直接殺さないで、その繁殖を抑えて腐敗を防止すること

消毒薬の効力に影響を与える三要素
 温度、薬剤の濃度、作用時間

消毒の種類と方法

理学的消毒法
日光消毒
主に日光に含まれる紫外線を利用した消毒法
紫外線消毒
紫外線の殺菌作用は強く広範囲な病室や研究室の消毒で使われる
焼却法
病原微生物に汚染された廃棄物を焼却する方法
乾熱滅菌法
感熱空気中で過熱することにより病原微生物を死滅させる方法
試験管や器具の消毒
160~170度
170~180度
180~190度
120分
60分
30分
低音消毒法
65度前後の温度で30分以上
牛乳やワインなどに対し結核菌、チフス菌、赤痢菌などを消毒
その他の
消毒法
煮沸法
100度で15分以上加熱  医療機器、金属製品
流通蒸気法
100度の蒸気の中に30~60分間接触させる
間欠法
80~100度熱水又は蒸気中で1回30分~60分間を3~6回の加熱
熱水消毒
80度10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を観戦可能な水準以下に死滅
高圧蒸気滅菌法
加圧した飽和水蒸気中で過熱する方法でもっとも確実な滅菌法
115度
121度
126度
133度
1.7気圧
2.0気圧
2.4気圧
3.0気圧
30分
20分
15分
5~10分
照射滅菌法
放射線照射法、高周波法
火炎滅菌法
器具の滅菌

消毒薬の殺菌範囲


一般細菌
緑膿菌
結核菌
真菌
芽胞
B型肝炎
グルタラール
次亜塩素酸ナトリウム
消毒用エタノール
ポビドンヨード
クレゾール石鹸
両性界面活性剤
第4級アンモニウム塩
クロルヘキシジン


環境
金属器具
非金属器具
手指皮膚
粘膜
排泄物
グルタラール
次亜塩素酸ナトリウム
消毒用エタノール
ポビドンヨード
両性界面活性剤
第4級アンモニウム塩
クロルヘキシジン


手指の消毒法

・石鹸と流水(温水の方が効果が高い)を用い30秒以上の手洗い
酒精綿(アルコールワッテ)の使用も可
アルコール濃度は80%が一番効果が出る

皮膚の消毒法

一般名
商品名
ポビドンヨード
イソジン
グルコン酸クロルヘキシジン
ヒビデン
塩化ベンザルコニウム
逆性石けん(陽イオン界面活性剤)
オスバン

予防接種部位の消毒はアルコールによる場合が多い