2013年9月15日日曜日

関節の損傷3

G.脱臼

1.定義
関節を構成している関節端が解剖学的状態から完全又は不完全に転位して関節面の生理的相対関係が失われている状態

2.発生頻度
・部位によって異なるが年齢、性別によっても差異がある
青壮年男子、特にスポーツ選手、肉体労働者に多発
顎関節脱臼を覗いて男性は女性の4~5倍
小児と高齢者に少ない(脱臼が起こらず骨折が起きる)

3.脱臼の分類
関節の性状による分類
脱臼の程度による分類
関節面相互の位置による分類
脱臼数による分類
脱臼部と創部との交通の有無による分類
外力の働いた部位による分類
脱臼の時期による分類
脱臼の経過による分類
脱臼の頻度と機序による分類

a.関節の性状による分類
外傷性脱臼
正常な関節に外力が働いて生理的範囲以上の運動が強制され、関節端の一方が関節包を損傷してその損傷部から関節包外に出たもの
・急性が殆ど
・使いすぎなど亜急性にはっせいするものもある
 ⇛ 外力が繰り返し作用し、関節を固定する筋、靭帯、関節包が弛緩伸長して脱臼するもので野球の投手に見られる
病的脱臼
関節に基礎的疾患があって外力なしあるいは正常な関節なら脱臼が起こり得ないような僅かな外力によって発生するもの
関節包の断裂はない
麻痺性脱臼
関節を制御する筋の麻痺により関節を固定する筋、靭帯関節包が伸長して脱臼する
片麻痺患者の肩関節不全脱臼など
拡張性脱臼
関節の急性又は慢性炎症により関節内に炎症滲出物が多量に貯留したため関節包が伸長して脱臼
急性化膿性股関節炎、股関節結核など
破壊性脱臼
関節包や関節体の破壊によって脱臼
関節リウマチによる手指の脱臼変形


b.脱臼の程度による分類
完全脱臼
一方の関節面が他方の関節面に対し完全に脱臼し両者間に全く対立がないもの
不完全脱臼
関節面が部分的な接触を残して不完全に転位したもの

c.関節相互の位置による分類
・近位関節面に対する遠位関節面の位置によって分類
肩鎖関節は鎖骨外端の位置で状態を表現
脊柱の上位にある脊柱の位置で状態を表現
前方脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が前方へ転位したもの
後方脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が後方へ転位したもの
手掌では踵足脱臼と背側脱臼、側部では背側脱臼と底側脱臼と表現
上方脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が上方へ転位したもの
下方脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が下方へ転位したもの
内側脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が正中面方向へ転位したもの
外側脱臼
近位関節面に対して遠位関節面が正中面より遠ざかる方向へ転位したもの
中心性脱臼
(内方脱臼)
大腿骨頭が寛骨臼窩を破壊して骨盤腔に陥入する脱臼骨折

d.脱臼数による分類
単数脱臼(単発脱臼)
1ヶ所の関節で脱臼
複数脱臼(二重脱臼)
1本の骨の中枢と末梢の2ヶ所の関節で脱臼したもの
(鎖骨の肩鎖関節脱臼と胸鎖関節の同時脱臼など)
多発脱臼
複数の骨で2ヶ所以上の関節が同時に脱臼

e.脱臼部と創部との交通の有無による分類
閉鎖性脱臼(単純脱臼)
脱臼部の被覆軟部組織損傷を伴わないもの(皮下脱臼
開放性脱臼(複雑脱臼)
被覆軟部組織の損傷によって関節腔が創部と交通しているもの

f.外力の働いた部位による分類
直達性脱臼
・外力が直接間接に働きその部位で脱臼したもの
・比較的少ないが、膝関節、足関節、リスフラン関節、手関節などに発生
・外力の加わった反対側の関節包が破れて外力の持続するままに骨頭がそこから逸脱する
 ⇛ 関節突起などの骨折を伴いやすい
介達性脱臼
・外力が他の部位に誘導されて離れた関節で脱臼するもの
ほとんどの外傷性脱臼は介達外力によって発生
・正常範囲を超える運動が強制されたり、突然に異常運動が強制された場合に関節窩縁、骨突起、関節包および靭帯が視点となって骨頭が槓桿作用(テコの原理)によって一定の方向に脱臼する

g.脱臼の時期による分類
先天性脱臼
・関節形成時期の発育欠陥などで先天性に発生
・股関節に多く発育性股関節脱臼(先天性股関節脱臼)と称される
後天性脱臼
出産後、外傷や疾病などの原因によって発生するもの

h.脱臼の経過による分類
新鮮脱臼
脱臼を起こしてから数日以内のもの
陳旧性脱臼
数週間経過したものでほとんどが徒手整復不能である

i.脱臼の頻度と機序による分類
反復性脱臼
外傷性に続発するもので多くは初回治療の中止など固定期間の不足、脱臼を阻止する骨突起の骨折、筋・腱付着部の裂離骨折などのため、軽微な外力や筋力などによって繰り返すもの
肩関節、顎関節などに多発
外傷あり
習慣性脱臼
明らかな外傷の既往がなく、骨、軟骨の発育障害、関節の弛緩などの素因のある患者が、軽微な外力などによって続発するもの
外傷なし
随意性脱臼
・本人の意志による筋力によって脱臼を起こし又原位置に復すことができるもの

4.脱臼の症状
a.一般外傷症状
疼痛
・自発痛で圧迫感のある持続性疼痛
骨折時の痛みほど激しくない
腫脹及び関節血腫
腫脹は骨折の様に早急に現れず著明ではない
・脱臼時に空虚になった関節腔内で関節血腫が生じ皮下出血斑を伴う
機能障害
患肢は一定の位置に固定(弾発性固定)

b.脱臼の固有症状
弾発性固定
(弾発性抵抗)
他動的に運動を試みると弾力性の抵抗を覚えある程度は可動できるが、
力を緩めると再び戻ってしまう
関節部の変形
関節軸の変化
骨頭の方向に転位
脱臼関節自体の変形
それぞれの関節に応じた特有の変形が出現
脱臼肢の長さの変化
脱臼した骨頭の位置により脱臼肢が延長、短縮して見える
関節腔の空虚及び
骨頭の位置異常
骨頭が逸脱したために関節腔は空虚となり陥凹を触知
そのため他部位に脱臼した骨頭を触れる

5.脱臼の合併症
骨折
・骨折を伴う脱臼を脱臼骨折という
・整復が困難であり治療日数も長くなる
脱臼から先に整復
血管及び神経の損傷
脊椎脱臼では重篤な脊髄損傷を起こす
・その他の脱臼では神経、血管を圧迫し患肢の神経マヒ血行阻害を起こす
軟部組織の損傷
開放性脱臼
細菌感染により化膿する危険性を伴う
関節包の損傷
顎関節脱臼、股関節中心性脱臼などを除き必発
靭帯及び腱損傷
軟部組織の損傷中最も多い
その他
筋、筋膜、関節軟骨、関節唇などの損傷が起こりうる

6.脱臼の整復障害
a.関節包による整復路の閉鎖(ボタン穴機構)
 ・脱臼した関節端が関節包の裂孔で絞扼されて徒手整復できない場合がある
  ⇛関節包を破って骨頭が嵌る
 ・逸脱した骨頭と頸部の差が大きい股関節脱臼に多い
b.掌側板又は種子骨の嵌入
 ・第1中手指節関節の脱臼にしばしば見られ関節に嵌入して整復不能な状態となる
 ・他の関節では稀である
c.筋腱、骨片による整復路の閉鎖
 ・第2指中手指節関節(MP関節)背側脱臼時、筋や腱などがつくる井桁状の構造内へ中手骨頭が嵌る場合
 ・肘関節脱臼に合併した上腕骨内側上顆骨折の骨片が関節内に嵌る場合がある
d.整復に際して支点となるべき小粒の骨片による欠損
 ・肩関節脱臼時の上腕骨近位端骨折など
e.筋並びに補強靭帯及び関節包の緊張
 ・各関節の脱臼において、強い筋緊張が整復障害の要因になりうる
f.陳旧性脱臼
 ・モンテギア骨折時の橈骨頭脱臼の見逃しなどがある


2013年9月1日日曜日

水の衛生

水の衛生

上水
法律
水道法
水質基準
硝酸態窒素
有機物汚染の指標
亜硝酸態窒素
大腸菌
病原菌による汚染の指標
検出されてはダメ
処理
浄水
沈殿
ろ過
消毒
塩素による消毒
遊離残留塩素 0.1/mg/l (ppm)
結合残留塩素 0.4/mg/l (ppm)
その他
上水道普及率 97.5
発がん物質 トリハロメタン (水道水中の有機物と塩素が反応j

下水
法律
環境基本法
処理
下水処理
(終末処理)
1.予備処理(一次処理)
2.本処理(二次処理)
活性汚泥法
好気性微生物を利用
嫌気性処理
合成処理浄化槽
処理後の水
検査
生物化学的酸素要求量(BOD
有機物汚染(大) ↑
化学的酸素要求量(COD
水の汚れ(大) ↑
浮遊物質(SS
水の濁り(大) ↑
溶存酸素(DC
有機物(多) ↓
その他
下水道普及率 72.7 先進国では低い


2013年8月13日火曜日

血液2

血漿蛋白質
アルブミン
・一番量が多く膠質浸透圧の維持
・低下すると浮腫が生じる
・アミノ酸の供給源(栄養機能
グロブリン
α-グロブリン
アルブミンと共に担体として脂質、ビリルビン、ビタミンなどの輸送
β-グロブリン
γ-グロブリン
免疫機能、免疫グロブリン
フィブリノゲン
血液凝固因子

血漿蛋白質の働き
・栄養機能
Phの維持
・緩衝作用
・血液凝固機能
・免疫機能

c.血小板
働き
・血液凝固作用、止血作用

形状
・無核の2-3μmの円盤状
・巨核球の細胞質が断片となってできている

寿命
3-10日程度
・脾臓で破壊

血液の凝固機序
・血液中のフィブリノゲン(線維素原)がフィブリン(繊維素)に変わることで起こる
因子
同意語
因子欠損の病気
I
フィブリノゲン
無フィブリン血症
II
プロトロンビン
低プロトロンビン血症
III
組織トロンボプラスチン

IV
カルシウムイオン(Ca2+

V
不安定因子
類血友病
VI
欠番

VII
安定因子、
プロコンバーチン
低プロコンバーチン血症
VIII
抗血友病因子
血友病A
IX
クリスマス因子
血友病B(クリスマス病)
X
スチュアート因子
スチュアート因子欠損症
XI
PTA
PTA欠損症
XII
ハーゲマン因子
ハーゲマン素質
XIII
フィブリン安定化因子


フィブリンの形成
内因系
外因系










XII
XIIa








IX


XI
XIa
VIIa
III





IXa











VIII
X
Xa
X






V












プロトロンビン
2
トロンビン
XIII













フィブリノゲン
第3相
フィブリン




















「→」は活性化
「⇛」は作用(働き)
赤字」はCa2+が必要な活性化
1
・外因系と内因系によりスチュアート因子(第X因子)が活性化され第2相に進む
2
Ca2+の存在下でプロトロンビンからトロンビンが生成
3
・トロンビンによりフィブリノゲンが不溶性のフィブリンになる

抗凝固剤
クエン酸ナトリウム
Ca2+の作用を阻害
シュウ酸ナトリウム
抗トロンビン剤
ビタミンKの作用を阻害
ヘパリン
トロンビンや第X因子の作用を阻害

線維素溶解現象
プラスミンの作用により一度凝固した血液が再び溶解すること

血液型


凝集原(抗原)
凝集素(抗体)
A
A
β
B
B
α
AB
AB
なし
O
なし
αβ

表現型
遺伝子型
A
AA
AO
B
BB
BO
AB
AB
O
OO

血液1

血液
I.血液の働き
1.運搬機能
 「酸素、二酸化炭素、栄養分、ホルモン、ビタミン、酵素、老廃物、熱など
2.ホメオスタシス機能
3.止血機能
4.生体防御機能

血液の成分
血漿(55%)
血清
蛋白質、脂質など
フィブリン
血漿蛋白質の一つ
血球
(ヘマトクリット値
45% 女40)
赤血球(無核)
1mm3中、男性で500万個、女性で450万個
ヘモグロビン 寿命は約120
血小板(無核)
1mm3中、13万~35万 止血
白血球(有核)

1mm3中、50008000
顆粒白血球
好中球(55%)、好酸球(3%)、好塩基球(0.5%
無顆粒白血球
リンパ球(36.5%)、単球(5%
血球細胞は成人では骨髄の血液幹細胞から作られる
胎児期で肝臓や脾臓でも作られる
成人時では長管骨の造血はほぼ消失し扁平骨や短骨で行われる
造血が盛んな骨髄は赤血球が多く赤色に見え赤色骨髄と呼ばれる
造血作用を失った骨髄は脂肪組織のため黄色に見え黄色骨髄と呼ばれる

II.血液の細胞成分
a.赤血球
働き
・酸素の運搬
・二酸化炭素の運搬
pHの緩衝作用

脱核による円盤形

赤血球の合成(新生)
ビタミンB12葉酸が必要
ヘモグロビンの合成にはが必要

酸素分圧
・ヘモグロビンと酸素の結合の強さ
血液の温度低下
酸素結合度上昇

pH上昇(アルカローシス)
血液の温度上昇
酸素結合度低下
エリスロポエチンが分泌され赤血球が増加
pH低下(アシドーシス)
・エリスロポエチン
腎臓から分泌され赤血球細胞の分化、増殖を促す

二酸化炭素の運搬
・炭酸、重炭酸イオンとして運搬 (67%)
 血液中で炭酸となりH+イオンを放出すると重炭酸イオンとなる
・カルバミノ化合物として運搬 (25%)
・二酸化炭素として血漿に溶解して運搬 (8%)

溶血
赤血球膜が破壊されヘモグロビンが流出すること
寿命(約120日)が尽きた赤血球は脾臓や肝臓などで破壊される

腸肝循環
赤血球
ヘモグロビン
ヘム
ビリベルジン
グロビン


1.ビリベルジンは酸素と結合しビリルビンとなる
2.血液中のアルブミンと結合し肝臓へ運ばれる
3.肝臓から胆汁中に分泌
4.十二指腸の腸内細菌の作用でウロビリノゲンとなり排出
5.十二指腸で分泌された胆汁の一部を腸で再吸収され肝臓に戻る
6.再び胆汁中に排泄

黄疸
肝臓に戻された一部は血液中に入り尿中に排泄
肝臓と胆道の機能が正常でない場合ビリルビンを捨てることが出来ずにビリルビン濃度が異常に上昇したもの

貧血
赤血球、ヘモグロビン量の低下による酸素運搬能力の低下とそれに伴う症状
原因
1.赤血球の合成に必要な栄養不足
 鉄、ビタミンB12、葉酸
2.赤血球の合成不全(骨髄障害)
3.赤血球の喪失亢進(溶血
 赤血球の寿命が短くなる
4.エリスロポエチンの分泌不足

b.白血球
白血球
3500
9000個)
顆粒球
好中球(55%)
貪食作用
好酸球(3%)
アレルギーや寄生虫感染で増多
好塩基球(0.5%)
ヒスタミン、ヘパリンなどを分泌
無顆粒球
リンパ球(36.5%)
Bリンパ球

免疫機能
Tリンパ球
ヘルパーTリンパ球
細胞傷害性Tリンパ球
単球(5%)
マクロファージ、抗原情報をリンパ球に伝達
特徴
・顆粒球の寿命は2-14
・無顆粒球の寿命は数日-数十年
・顆粒球は成熟すると分葉球(核がくびれる)になる

Bリンパ球
骨髄で分化
液性免疫
細胞表面に免疫グロブリンIgMIgDIgGIgAIgE)を持ち抗原刺激により抗体を分泌
IgG
補体結合
IgA
外分泌液(涙など)に含まれ免疫機能を発揮
IgM
補体結合
IgE
好塩基球や肥満細胞に付着しヒスタミンが遊離しアレルギー反応が出る
IgD
Bリンパ球が形質細胞になると消失
*補体結合
抗原と抗体の結合物が血液中に存在する補体と呼ばれる糖蛋白を取り込む反応

Tリンパ球
Tリンパ球
ヘルパーTリンパ球
免疫細胞の活性化、リンフォカインの分泌
細胞傷害性Tリンパ球
標的細胞の破壊
胸腺で分化
・その後は末梢リンパ組織(脾臓、リンパ節、パイエル板など)に移動
細胞性免疫


2013年8月4日日曜日

上腕骨近位端部骨折2

c.外科頚骨折
特徴
1.関節外骨折
2.高齢者に多い
3.臨床上重要
 a.高頻度
 b.肩の障害
4.分類
 a.外転型骨折(多い)
 b.内転型骨折(少ない)
発生機序
直達外力(少ない) < 介達外力(多い)
直達外力
転倒して肩をぶつけた
肩に外方から物がぶつかった
外転型
介達外力
転倒して手掌又は肘をついた
内転型、外転型

症状
1.血腫著明 ⇛ 皮下出血斑(大)(肩から肘又は脇腹):数日かかる
        ⇛ 肩の腫脹
 ※外科頚外転型骨折と肩関節前方脱臼の変形は類似 ⇛ 誤診の可能性
2.異常可動性と軋轢音噛合骨折では見られない
3.肩の運動障害噛合骨折では見られない
4.外科頚部の限局性圧痛
5.転位と変形


外転型骨折
内転型骨折
骨軸の変化
骨間軸の骨折端部は内方へ向く
骨管軸の骨折端部は外方へ向く
骨片転位(近位)
軽度内転
軽度外転、外旋
骨片転位(遠位)
軽度外転、内前上方転位
軽度内転、前外上方転位
肩峰と
大結節の距離
広がる
狭まる
変形
前内方凸
前外方凸

整復法
外転型骨折
1.患者背臥位:1助手は肩を固定
2.2助手は遠位骨片を抹消牽引して内転させる
3.術者は遠位骨片を外方へ引く
4術者は遠位骨片を前方から圧迫、同時に第2助手は遠位骨片を前方に挙上
・転位の除去の順序
1.短縮転位 2.外転転位 3内方転位 4.前方転位

内転型骨折
1.患者背臥位:1助手は肩を固定
2.2助手は遠位骨片を抹消牽引して外転させる
3.術者は遠位骨片を内方へ引く
4術者は遠位骨片を前方から圧迫、同時に第2助手は遠位骨片を前方に挙上
・転位の除去の順序
1.短縮転位 2.内転転位 3.外方転位 4.前方転位
固定法
a.外転型骨折:肩の内転位固定
内転位固定
 ・ハンギングキャスト法:持続牽引
b.内転型骨折:肩の外転位固定
外転位固定
 ・ミッデルドルフの三角副子:三角形にしたクラーメル副子などを利用した固定
 ・外転装具:エアプレーン装具
後療法
1.骨癒合 46w
2.肩の運動を制限(再転移の可能性
3.固定中の筋力低下防止(等尺性収縮運動)
4.肩の拘縮予防
 a.コッドマン体操(振り子体操)
 b.棒体操
 c.滑車運動(プーリー
合併症
続発症
後遺症
1.肩関節の脱臼(少ない
2.血管損傷(腋窩動脈
3.神経損傷:
腋窩神経 ⇛ 三角筋、小円筋マヒ ⇛ 外転不可
       ⇛ 肩外側の知覚麻痺
4.肩関節の亜脱臼(ルーズショルダー):筋力低下
5.肩の運動障害:特に外転、外旋
鑑別診断
1.外科頚外転型骨折
2.肩関節前方脱臼
a.三角筋部腫脹
b.肩峰下骨頭触知
c.軋轢音
a.三角筋部膨隆消失
b.肩峰下空虚
c.弾発性固定(バネ様固定)

d.大結節単独骨折
発生機序
直達外力
肩外側を強打
介達外力
腱板棘上筋、棘下筋、小円筋)の牽引による裂離骨折
固定法
転位小
三角巾で提肘
転位大
外転・外旋位でギプス固定
肩関節前方脱臼に合併することが多い

e.小結節単独骨折
特徴
・極めて稀
・肩関節後方脱臼(極めて稀)に合併
・上腕二頭筋長頭腱脱臼を合併
発生機序
直達外力
肩の前方を強打
介達外力
腱板(肩甲下筋)の牽引による裂離骨折
固定法
肩下垂内旋位で固定

f.骨端線離開
特徴
新生児、乳幼児、少年期に特有な骨折
予後良好 III
予後不良 (IIIIVV型 ⇛ 成長障害
発生機序
・外科頚骨折と同様
分娩時にも発生(腕を引っ張られて)
症状
新生児
骨折線は骨端線のみI型が多い)
少年期
骨折線は関節包の内外にわたる(II型が多い)
・腫脹、疼痛
・上肢は下垂内旋
・運動時痛
整復固定
転位小または無い
整復の必要は無い(自家矯正力)
転位大:(屈曲40度以上又は回旋転位)極めて稀
整復
・肩 外転90度、水平屈曲45度、外旋位
・肘 屈曲90度 でギプス固定