2013年5月27日月曜日

骨折の症状

骨折の症状
骨折は他の組織損傷を伴う

1.骨折時の局所症状
a.一般外傷症状
  この症状だけでは骨折と断定できない
  長骨の完全骨折で著明に現れる
分類1
分類2

疼痛
自発痛
痛みは骨膜から発生

直達性局所痛(限局性圧痛)
骨折部に限局して強い痛み
マルゲーヌの圧痛点、マルゲーヌ骨折痛
介達痛
離れた部位を刺激して患部に生じる痛み
軸圧痛、叩打痛、圧迫痛(圧痛とは異なる)、牽引痛、動揺痛
腫脹

骨折だけでなく軟部組織のみの損傷時にも見られる
血腫、関節血腫、皮下出血斑
機能障害

受傷直後は
筋が一時的鈍麻状態
痛みのため動きの制限
体重の負荷が不能となり支持器官として働かない
長骨の完全骨折で著明に現れる


b.骨折の固有症状
骨折時に現れる症状
分類1
分類2

異常可動性

骨折部が関節のように動く
異常可動性を証明しにくい骨折
不全骨折、圧迫骨折、噛合骨折、関節付近の骨折
軋轢音

骨折端同士が擦れ合って出す音
殆ど聞こえず指で触知できる程度
軋轢音を証明しにくい骨折
異常可動性が無い
骨折端が離れている
骨折端間に軟部組織(筋、脂肪)がある
転位と変形

転位:骨の位置が変わる
変形:転移することで外見が変わる

一次性転位
骨折時の転位

二次性転位
骨折後の転位
外力、筋の牽引力、患肢の重量
形状による分類
側方転位、屈曲転位、捻転転位、延長転位、短縮転位
多くの場合何種類かの転位が重なる

2.骨折時の全身症状
a.ショック
ショックとは末梢の血液循環不全により血圧低下、意識混濁、感覚鈍麻などが起こった状態

1)ショックの症状
顔面蒼白、口唇がチアノーゼ、手足の冷え、冷や汗、脈拍が小さく早くなる、
血圧低下、生欠伸、気分悪化、意識朦朧
ショックの5P
顔面蒼白(Pallor)、虚脱(Prostration)、冷汗(Perspiration)
脈拍触知不能(Pulselessness)、呼吸不全(Pulmonary deficiency)

2)ショックの応急処置
ショック体位背臥、頭低、足高
安静にして保温

b.発熱(吸収熱)
骨折数時間後に3738°の発熱
組織の分解物の吸収のために発生し数日で平熱に戻る
 ⇛幼少児の骨折の場合は保護者に説明(インフォームドコンセント)が重要




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