・骨折は他の組織損傷を伴う
1.骨折時の局所症状
a.一般外傷症状
この症状だけでは骨折と断定できない
長骨の完全骨折で著明に現れる
分類1
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分類2
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疼痛
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自発痛
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痛みは骨膜から発生
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直達性局所痛(限局性圧痛)
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骨折部に限局して強い痛み
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マルゲーヌの圧痛点、マルゲーヌ骨折痛
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介達痛
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離れた部位を刺激して患部に生じる痛み
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軸圧痛、叩打痛、圧迫痛(圧痛とは異なる)、牽引痛、動揺痛
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腫脹
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骨折だけでなく軟部組織のみの損傷時にも見られる
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血腫、関節血腫、皮下出血斑
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機能障害
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受傷直後は
筋が一時的鈍麻状態
痛みのため動きの制限
体重の負荷が不能となり支持器官として働かない
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長骨の完全骨折で著明に現れる
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b.骨折の固有症状
骨折時に現れる症状
分類1
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分類2
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異常可動性
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骨折部が関節のように動く
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※異常可動性を証明しにくい骨折
不全骨折、圧迫骨折、噛合骨折、関節付近の骨折
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軋轢音
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骨折端同士が擦れ合って出す音
殆ど聞こえず指で触知できる程度
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※軋轢音を証明しにくい骨折
異常可動性が無い
骨折端が離れている
骨折端間に軟部組織(筋、脂肪)がある
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転位と変形
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転位:骨の位置が変わる
変形:転移することで外見が変わる
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一次性転位
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骨折時の転位
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二次性転位
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骨折後の転位
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外力、筋の牽引力、患肢の重量
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形状による分類
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側方転位、屈曲転位、捻転転位、延長転位、短縮転位
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多くの場合何種類かの転位が重なる
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2.骨折時の全身症状
a.ショック
ショックとは末梢の血液循環不全により血圧低下、意識混濁、感覚鈍麻などが起こった状態
1)ショックの症状
顔面蒼白、口唇がチアノーゼ、手足の冷え、冷や汗、脈拍が小さく早くなる、
血圧低下、生欠伸、気分悪化、意識朦朧
ショックの5P
顔面蒼白(Pallor)、虚脱(Prostration)、冷汗(Perspiration)、
脈拍触知不能(Pulselessness)、呼吸不全(Pulmonary deficiency)
2)ショックの応急処置
ショック体位:背臥、頭低、足高
安静にして保温
b.発熱(吸収熱)
骨折数時間後に37~38°の発熱
組織の分解物の吸収のために発生し数日で平熱に戻る
⇛幼少児の骨折の場合は保護者に説明(インフォームドコンセント)が重要
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