上肢
骨折
鎖骨骨折
特徴
発生頻度 高い
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介達外力 多い
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全年齢で発生
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年齢による特徴
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小児
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不全骨折(若木骨折)が多い
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小児は頭部損傷にも注意
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少年期まで
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自家矯正力(リモデリング)が高い
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捻転骨折はリモデリングは働かない
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予後良好
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成人、高齢者
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転位が高度
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骨片骨折の可能性
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固定が困難で変形を残す
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過剰仮骨形成
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神経(腕神経叢)麻痺の可能性
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不十分な整復
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仮骨形成の遅れ
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固定の長期化
⇛筋力低下、(肩)関節拘縮
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再整復の繰り返し
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遷延治癒
⇛偽関節
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発生機序
介達外力
発生頻度80%
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肩部を衝いて転倒
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鎖骨の長軸方向に作用
力学的に弱い中外1/3境界部に発生
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肩外転、肘伸展で手掌をついて転倒
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直達外力
発生自体はまれ 発生頻度20%
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外1/3部(外端部)に発生することが多い
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外のほうが薄い
表在性の為
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定型的転位
完全骨折(成人の骨折)
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近位骨片
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上方やや後方
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胸鎖乳突筋
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遠位骨片
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下垂
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上肢の自重
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短縮
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大胸筋(胸骨から上腕)
小胸筋(烏口突起から肋骨)
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不全骨折(幼児の骨折)
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上方凸の変形
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異常可動性がなく見落としやすい
乳幼児の場合は両腋窩をもって抱き上げると号泣
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症状
頭部を健側に傾ける
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胸鎖乳突筋を弛緩させ痛みをやわらげている
⇛疼痛緩和肢位
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鎖骨骨折特有
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患側の方が下垂
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骨折部に響くのですり足
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鎖骨骨折特有
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肩幅減少
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大・小胸筋に引っ張られる
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鎖骨骨折特有
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異常可動性と軋轢音、変形
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骨折の固有症状
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骨折部の腫脹、限局性圧痛
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皮下出血斑
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骨折部より下方に広がる
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上肢の運動制限
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痛いから動かさない、特に外転
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整復法
整復前と整復後の確認
神経
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腕神経叢の損傷
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血管
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鎖骨下動脈損傷
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触れないので左右の手首で脈を比較して確認
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内臓
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肺損傷
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顔が青い、息遣いが荒い
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幼児の若木骨折
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1・上方からの軽い直圧
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2・8字体固定で2~3w
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臥位整復法(成人)
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1・鎖骨整復台に背臥位にさせる
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2・両肩を外転させる
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遠位骨片を後外上方に引っ張る
ここまででほぼ整復完了
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3・不十分な場合は直圧
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座位整復法
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1・座位にする
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2・第一助手が両肩を外後方に引く
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短縮転位の整復
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3・第二助手が上肢を突き上げる
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下方転位の整復
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4・ずれている骨片を合わせる
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固定法
・固定が困難なため固定法が多い
・固定期間
小児の若木骨折 2~3w
成人の完全骨折 4~6w
・固定肢位は胸を張った姿勢
8字体固定法
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包帯を背中で交差して8の字に巻く
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デゾー包帯固定法
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第1帯
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腋窩枕子を固定
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第2帯
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上腕を固定
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第3帯
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腋→肩→肘を繰り返す
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第4帯
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前腕を釣り上げる
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セイヤー絆創膏固定法
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転位が少なく短期間の場合に適用
⇛テーピングが剥がれる、肌が荒れる
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第1帯
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短縮転位の防止
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遠位骨片の転位の防止
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第2帯
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下方転位の防止
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第3帯
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前腕の重量で近位骨片の上方転位を防止
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厚紙副子固定法
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厚紙+8字体固定法
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T字状木製板固定法
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T字板+8字体固定法
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バンド固定法
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クラビクルバンド
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ギプス固定法
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リング固定法
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2個のリングを腋につけて背中で引っ張る
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後療法
整復後10日間は安静
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再転位に注意
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安定後は患部を温める
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肘、手首、指なとは積極的に動かす
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約4wで骨癒合
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その後肩の運動を開始する
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中高年は普段動かしていないので積極的に行う
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合併症・後遺症
神経血管障害
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腕神経叢、鎖骨下動脈の損傷
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胸膜・肺尖損傷
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血胸、気胸の恐れ
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変形治癒
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機能障害なし
女性に関して美容上の問題あり
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偽関節
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機能障害はあまりない
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変形性関節症
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・胸鎖関節
影響は少ない⇛鎖骨内側端は太いので折れにくい
・肩鎖関節
影響することが多い⇛外端部骨折は頻度が高い
関節の痛み、ズレ等含めて変形関節症
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非観血療法の限界点
鎖骨外端部骨折+烏口鎖骨靭帯の断裂
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上方転位が大きく骨癒合が不能
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第3骨片が楔状骨片
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皮膚貫通の恐れ
※楔状骨片:第3骨片が縦になる
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粉砕骨折
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