2.骨幹部骨折
特徴
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1.筋に囲まれているので骨癒合は良い
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筋が多いと血行が多い
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2.骨幹部の横骨折
下1/3部の横(斜)骨折
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骨癒合は悪い(骨折端の面が狭い)
⇛ 偽関節
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3.撓骨神経麻痺が多い
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下垂手(drop
hand)
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分類
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1.横骨折
2.粉砕骨折
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直達外力
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3.斜骨折
4.螺旋状骨折
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介達外力
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発生機序
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1.直達外力
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横骨折
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骨幹部を強打
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粉砕骨折
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2.介達外力
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a.転倒時に手掌又は肘をついた
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自家筋力による骨折
斜骨折、螺旋状骨折
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b.投球骨折、腕相撲骨折
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螺旋状骨折
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症状
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1.変形
2.疼痛(自発痛、動揺痛、限局性圧痛)
3.腫脹
4.皮下出血斑
5.上肢の運動障害
6.異常可動性、軋轢音
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転位
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1.三角筋付着部より近位での骨折
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近位骨片
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内転転位
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a.大胸筋 b.大円筋 c.広背筋
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遠位骨片
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外上方転位
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a.三角巾 b.上腕二頭筋 c.上腕三頭筋 d.烏口腕筋
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2.三角筋付着部より遠位での骨折
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近位骨片
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やや前外方転位
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a.三角筋 b.大胸筋(前方)
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遠位骨片
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後上方転位
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a.上腕二頭筋 b.上腕三頭筋
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整復法
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1.三角筋付着部より近位での骨折
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2.三角筋付着部より遠位での骨折
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1.第1助手:肩外転位で固定
2.遠位骨片を末梢牽引
3-1.第2助手:遠位骨片を外転
3-2.術者:遠位骨片を後内方に直圧
3-3.第2助手が遠位骨片を内転
4-1.術者:遠位骨片を前方から直圧
4-2.第2助手:遠位骨片を前方挙上
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1.第1助手:肩外転位で固定
2.第2助手:遠位骨片を外転
3.術者:近位、遠位骨片を把持
4-1.第2助手:末梢牽引
4-2.第2助手:遠位骨片を内転
4-3.術者:遠位骨片を外下方に直圧
5-1.術者:近位骨片を前方から直圧
5-2第2助手:遠位骨片を前方挙上
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固定法
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範囲
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肩関節~手関節
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肢位
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整復位での固定
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三角筋より近位
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肩関節0度~肩関節外転位
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三角筋より遠位
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肩関節外転70度、水平屈曲30~45度
肘関節90度
前腕回内回外中間位
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後療法
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1.偽関節と遷延治癒に注意(横骨折)
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撓骨神経麻痺(過剰仮骨)
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2.初期:安静(固定)+冷湿布(冷却)
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3.骨癒合
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斜骨折:8W
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横骨折:10W
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4その後
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等尺性収縮運動、温熱療法、手技療法、
サルミエントの機能的装具
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※サルミエントの機能的装具(ファンクショナルブレス)
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・上腕骨のみの固定
・肩関節、肘関節の自動運動が可能
・筋萎縮と関節拘縮の予防
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合併症
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偽関節
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・横骨折なので骨折面が小さい
・緻密質なので仮骨が出来づらい
・固定が困難(外転位固定が困難)
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撓骨神経麻痺
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一次損傷
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・受傷時
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下垂手
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二次損傷
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・整復時
・固定時
・治療中の仮骨の影響
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※ワシャ ドウラク セザル(ワシ 尺、 橈 落(下垂)、 正 猿)
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尺骨神経麻痺
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鷲手
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撓骨神経麻痺
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下垂手
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正中神経麻痺
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猿手
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予後
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・短縮変形
・内反変形
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機能障害 小さい
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・偽関節
・撓骨神経麻痺
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機能障害 大きい
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